小原啓渡関連 - メディア情報

2007.11.14

『NAMURA ART MEETING ’04-’34 vol.02「起程?」』アート・トップ/2007年11月号

NAMURA ART
MEETING '04-'34
|vol.02 「起程Ⅰ」
名村造船所
九月一日(土)~九月二日(日)
NAMURA ART MEETING
'04-'34とは、 大阪市の湾岸地
区に残る名村造船所跡地を利用
した芸術実験のためのプロ
ジェクトである。造船所跡地の
周囲にも重工業コンビナートが
広がり、日本の工業の栄枯盛衰
を見つめてきた場所である。 つ
まり、本来芸術とは無縁の場所
なのだ。その空間を芸術実験の
場として活用しようというプロ
ジェクトが二〇〇四年に始まっ
たわけである。 今年はその三回
目のミーティングである。シン
ポジウム、クルージング、クラ
ブイベント、カフェなど、 第一
回から行われているイベントが
今年も引き続き開かれる一方で、
何よりも注目すべきは、いよい
よこの巨大な空間を「身体的に」
使おうという方向が見えてきた
ことである。
二〇〇四年、二〇〇五年と開
かれたこれまでの二回のミーテ
ィングは、この巨大な空間をど
のように芸術実験の場として
活用していくか検討するための
討議の場としての強かった。
これは三十年に及ぶ長期プロジ
ェクトの出発点としては、当然
の選択であったであろう。 そし
ていよいよ長い道のりへと出発
したのだという気は、今回の
タイトルが「起程!」と名づけ
られていることにも現れている。
ダムタイプの「voyages」 のイ
ンスタレーションが、その旅立
ちを象徴的に示していた。
さらに三組のアーティストに
よるパフォーマンスやプレゼン
テーションが会期中に行われた。
そのどれもが、 重工業から最新
テクノロジーへと移りゆく日本
の状況と関わりをもつものばか
で、なおかつ私たち人間の身
体への問題意識を共有したパフ
ォーマンス色の強いものであっ
た。
グラフィックとサウンドと
ダンスのコラボレーションに
よる WDOP のパフォーマン
ス「Weightless Days」、 鉄工
匿名的な個人との関係を
にハプニング的なパフォーマン
スを展開する GRINDER-MAN
の 「MUSTANG」、 アーティス
トと同乗者だけが体験できるサ
ウンド・ドライブを行うログズ
ギャラリーのデモンストレーシ
ョン。 それらは、巨大な造船所
という特殊な空間と身体を
取り結ぶ芸術実験として意義
あるものであった。それらがこ
の場だけで完結するものでなく、
今後の完成へと向けた試
にあるという事実は、このミー
ティングの未来への思いと確か
に重なってもいる。
(ひらよしゆきひろ美術館
主任学芸員)
7 8
[1] dumbtype 「voyages photo by Kazuo Fukunaga
[2] GRINDER-MAN 「MUSTANG」
3 Rogue's Gallery 「GASOLINE MUSIC CRUISING」
photo by Kazuo Fukunaga
[4] WDOP
tess Days」
rt Top Critical words
[上]村一郎 [070208]
2007
130.0×194.0cm
[下] きんぎょ
2007
80.0×120.0cm
キャラコ、 日本画材

2007.09.01

『世界最先端のメディアアートを体感できるまたとないチャンス』カジカジ/2007年9月号 NO.159

世界最先端のメディアアートを
体感できるまたとないチャンス
こ
見らによるWDOP.
2004
アートに関心ある人は必見
ダムタイプ、グラインダーマン、ロクズギャラリー、ヤザキタケシと
のどれかひとつでも知っている、もしくは知らない
年から2004年までの30年間のひとなりの現場とえ中出しつつ
しようと始まったプロジェクト」として大阪住之江の名村道で行われてい
"NAMURA ART MEETING" 上記のインスタレーション/パフォーマン
スアートを始めのクラブスタイルのパーティーにはレイハラカミらも出演 理っぽい
でっかちな(したプリ)よりも、実際に体験してみてほしいそれでこそ、わかることがあるよ
NAMURA ART MEETING '04-'34
名村30年の vol.02 「I」
(土)
06-6213-2662 (MAMURA ART G
TICKET 会場入場料¥1500に各イベント料金が必要
WDOP: ¥2000/2000/NAN ¥2000/クルージング ¥1500/
フリー)¥5000
DM)START:12:00-
ダムタイプ(Voyang(インスタレーション)/WDOPW
アート×サウンドアートグラインダーマン
NAURANTE
START 12:00~22:00
ダムタイプション)/
パフォ
レイハラ
グラインダーマン 「MUSTANG」 「パフォーマンス)/
ログズギャラリー「ガソリンミュージッククルージング
プレイ」/
モンストレーショ
ク

2007.08.14

『Namura Art Meeting ’04-’34:vol.2』KANSAI TIME OUT/No.366/August 2007

URBAN ART PROJECT
Namura Art Meeting '04-'34: Vol.2
CHAD TO
NAMURA ART MEETING will be presented on Sept. 1 and 2. (See Art
Focus). The schedule is as follows:
September 1
11:00-22:00
14:00-15:00
Voyages" by Dumb Type
Weightless Days," by WDOP (Weightless Days Osaka Project),
dance by Yazaki Takeshi and Matsumoto Megumi, graphic
art by Angela Detanico & Rafael Lain, sound art by Dennis
McNulty
18:30-19:30 "Mustang Go West" by Grinder-man
20:00-21:00 Weightless Days"
23:00-05:00 "Namuranite, club event, DJ by EYE and Izumi Kiyoshi
September 2
11:00-14:00 "Voyages" by Dumb Type
15:00-17:30 A talk and piano performance by Asada Akira and Takahashi
Yuji
18:30-19:30 "Mustang Go West" by Grinder-man
20:00-21:00 "Gasoline Music & Cruising" by Rogues' Gallery
PHOTO KULIKAN JIKKENS 2006
Performance by Rogues' Gallery
25

2007.07.26

『体験型講座500円 大阪ワークショップフェスティバル 38DOORS』朝日新聞夕刊/2007年7月26日

07年(平成19年) 7月26日
木曜日
文化
3版4
WEST
体験型講座 500円
アート・ダンス・映画・・・38人が講師に
ユニークなワークショップ(体験
)を
ワンコインでどうぞー。 文化やアートを担う
ゆかりの人が集まり、語り、作り教え
る「大阪ワークショップフェスティバル SD
OORS」が8月1、2日にOBP円形ホール
前広場(大阪市中央区城見2丁目)で、同3~
5日に大阪市立芸術創造館 旭区中宮
000円
同館の指定管理「LLP
アートサポート」と大阪
紀協会でつくるIWF準備委
員会の主催で、初の試み。
WFは「インターナショナル
・ワークショップ・フェステ
ィバル」の略で、いずれ世界
大阪、 8月1~5日
のワークショップが1千は集
まるしにしようという気合
がこもる。
新聞で知られる現代
芸術家の西沢みゆきさん=写
は古新聞を使った、平和
うドレス作りを伝する
(2日午後4時)
OSK日本歌劇団の元トッ
「男たちの大和/YAMA ブスター部さんは、女性
TO」で日本アカデミー賞優 が演じる、いい男性の魅力と
秀編集賞の東映 (5日午後8時)。
米田武朗さんは「大和」のフ コンテンポラリーダンスの
ィルム上映を交え、制作秘話 伊豆牧子さんは、日常動作の
を紹介する(4日午後4時)。 繰り返しなどを通して
再確認するパフォーマンスを
する(5日)*
打ち水体験(3日午後2時)、
親子で歌い継ぐ日本の歌 (5
日午前11時)など、子どもが
楽しめるコースもある。
「テレビ
のチャンネルを切り替えるよ
うに、気軽に体験して下さ
い」と
している。
おもろい、 大阪アートの
枚、ちょっと開けてみた
くなる。要予約。問い合わせ
申し込みはIWF準備委
(6955・1066)。
ウェブでも申し込みを受け付
(http://www.artoo
ける
mplex.net/doors/)
話

2007.04.01

『もっと行きたい!芸術創造館』いちょう並木/2007年4月号

行きたい!
芸術創造館
大阪市立芸術創造館は、 舞台芸術家たちの孵化
施設です。 バンドの練習やダンスのレッスン、演劇
の脇古場、 ミーティング等に、 なかなか使える練習
が計1部屋。劇団の方やバンドマン、ダンサー
やバレリーナなど、様々なアーティストがここで研
をんでいらっしゃいます。 また、大スタジオで
は本格的なレコーディングができますし、大練習室
では演劇の公演・ライブなどを開催できる設備が整
っています。 年末年始を除いて、 年中無休。
京都の暑い夏2007 第12回京都国際
ダンスワークショップフェスティバル"
VISIONS ON THE EDGE"
京都を中心に、 関西各地で行われるダンスのワ
ークショップです。 大阪では芸術創造館マンスリ
ーシアター<主催 大阪市 > として、 国内外の講
師とともに身体との対話を深めます。 期間:4月
27日 (金)から5月13日(日)まで 様々なプロ
グラムがありますので、詳細はお問合せください。
芸術創造館
利用時間: 月~金曜
10:00~22:30
休館日 12月28日~1月4日
住所: 〒535-0003 大阪市旭区中宮1-11-14
電
06-6955-1066
話:
Fax : 06-6955-7901
E-mail: art-space@artcomplex.net
URL: https://www.artcomplex.net/art-space/
地下鉄谷町
術
eee
●大阪市営地下鉄谷町線「千林大宮駅」から徒歩10分
●京阪森小路駅から徒歩10分
●大阪駅から市バス幹33・幹78系統「新森公園前行」 約40分
(交通事情により遅延あり) 「旭区役所区民センター」下車すぐ
13

2007.03.25

『公共文化施設の新たな担い手たち』地域創造/2007年 Spring

大阪市立芸術創造館で開催されたダンスコンテスト 「DANCE COMPLEX」より
民間のノウハウを生かす
Place 3 大阪市立芸術創造館
指定管理者 有限責任事業組合アートサポート
|文・山下里加 やました りか ライター
写真・高嶋清俊 たかしま・きよとし
改めて言うまでもなく、 指定管理者制度
によって民間企業やNPO法人などが自ら
のノウハウを活かして、より柔軟に公の文
化施設の運営をすることができるようにな
った。 では、民間のノウハウを活かした公の
文化施設と、民間が経営する文化施設は、
どのように棲み分け、どのような関係にな
るのだろうか。 大阪市の旭区にある芸術創
造館の果敢な挑戦を見てみたい。
大阪市立芸術創造館は、2000年に旭
区民センター 旭図書館などと同じ建物の
一画にオープンした。 地上3階、地下1階
があり、大小さまざまな「演劇練習場」と
「音楽スタジオ 練習室)」 「ミキシングルー
ム」などがある。 照明や音響などの設備も
整った公演会場として使える空間もあり、
公立ホールのない大阪にあって演劇関係者
待望の施設として誕生した。
当初は財団法人大阪都市協会に運営を委
託していたが、新制度の導入に伴い指定管
理者の公募が行われた。 大阪市立の文化施
設のうち、 東洋陶磁美術館や大阪歴史博物
館、自然史博物館、科学館などは非公募だ
った。 大阪市ゆとりとみどり振興局文化振
興課の佐々木康晴さんは、「大阪市では、原
則公募を前提に議論し、どうしても特定の
団体でなければ管理運営が難しいと判断さ
れた施設のみ非公募としています。 美術館
や博物館などは、学芸員などの専門知識、
専門技術が必要な施設ですので非公募にな
っと思われますが、これも2年間の暫定処公立文化施設の
新たな担い手たち
The designated manager system
たのだ。
置で2009年にはもう一度、審議し直す
ことになっています」と現状を説明する。 文
化振興課に所属する文化施設では、 中央公
会堂と芸術創造館が公募にかけられ、4年
間の指定期間が設定された。
「芸術創造館の場合、 大阪市主催の事業も
行われていたので、その継続性を考えると
非公募という意見も出ました。 ですが、 貸
業務も行っているので非公募にするとい
う説得力に欠けた。公募にすることで、よ
り活発で行き届いた市民サービスが行われ
るだろうと判断されたのです」
公募が決定したとほぼ同時期に、創造館
以外にも大阪市のさまざまな文化事業を委
託されていた大阪都市協会が2007年度
までに解散することが大阪市外郭団体等評
価委員会から報告された。同財団の解散に
象徴されるように、財政状況にある大阪市
には、何につけ新しい展開が求められてい
1960年兵庫県生まれ。同志社大学法学部政治学
科中退後、約1年間インドで放浪生活を送る。帰
国後、照明技術者として舞台の世界へ。 1999年
●小原啓渡(こはら・けいと
「アートコンプレックス1928」を立ち上げ、 長期
滞在アーティストのための宿泊施設 「アーティス
トイン・レジデンス京都」の運営など芸術環境整
備活動に尽力。 また、2003年頃より投資家が舞
台公演に出資し収益が上がると配当を受けるシス
テム 「文化事業支援ファンド」 を創設。
こうした状況の下、2005年1月に有
識者5名による2回の選定委員会と、応募
者によるプレゼンテーションが行われ、結果
アートサポートが選定された。 アートサポ
ートは、劇場コンサルタント会社、舞台照
明関連会社、舞台技術関連会社の3社から
成る有限責任事業組合(LLP*1)だ。 そ
して、その主たる運営者は、京都で元新聞
社を改装した「アートコンプレックス192
8」というユニークな劇場を経営し、200
4年に新たに大阪で元名村造船所の広大な
場所を、イベントスペース、 工房、宿泊施
設、バーなどの複合施設にした「BLACK
CHAMBER」をオープンさせたリッジクリエ
イティブ株式会社なのだ。
芸術創造館の館長に就任したのが有限責
任事業組合アートサポートの代表で、 アー
トコンプレックスグループを率いる小原啓
渡さんである。 小原さんは、ユニークな発
想と実行力を備えた人物として関西の舞台
芸術界で知られている。 例えば、 アートコ
コンプレックス1928では、舞台制作に投資
家を募るエンジェルシステムを導入して、 市
民の投資によるロングラン公演を大成功さ
せた(「地域創造」 第15号参照)。 また、劇場
のある三条御幸通りを映像と光でライトア
ップするイベント「三条あかりけしき」の統
括プロデューサーや、大阪のサロンバー 「art
complex」 の経営、アーティストにインタビ
ューした著作等、多方面で活動している。
民間の文化施設、文化発信拠点を成功さ
せ、一定の評価を受けている小原さんが、
なぜ今さら未知数の指定管理者に名乗りを
あげたのだろうか。
「現場主義なんですよ。何でも自分でやっ
てみないと納得できない。 指定管理者制度
も人から聞く話では、本当のところはわか
らない。 で、自分でやってみようと思ったの
で す」と小原さんは言う。もちろん、ただ
●アートコンプレックス1928 (京都市・三条)
1928年に建設された大阪毎日新聞社京都支局ビ
ル (京都市登録有形文化財) を改装し、1999年に
オープン。レトロな雰囲気があり、舞台公演の他、
展示会やファッションショーなども開かれる。
●Artist in Residence Kyoto (京都市上京区)
通称「AIR京都」。 アーティスト専用の宿泊施設で、
京都での活動目的が明確なアーティストが優先的
に宿泊できる。 キッチン、風呂などは共同で、 コミ
ュニケーションの場ともなっている。 1泊2,500円、
6泊目から2,000円 11泊目から1,500円(いずれも
税別)
ない。
の好奇心で管理運営者に手を挙げたわけで
はない。 長年抱いてきた「民」と「官」の理想
的な関係づくりへの一歩となる予感を得て
いたのだ。
「僕は、舞台芸術の公演をメインにした施
設を経営してきましたが、近くに同じよう
公立の施設ができると競合してしまうん
です。 しかも、民間企業としては経営上で
きない条件(価格)の貸し館料が設定される
こともある。これでいいのだろうか、とず
っと考えていたのです」
そんな時、公の施設の指定管理者制度へ
の移行が始まった。小原さんは、さっそく
調べてみたが、もしもの場合の補償などを
考えると資金力がなくてとうてい参入でき
●BLACK CHAMBER (大阪市・北加賀屋)
広大な名村造船所跡地を利用した複合アートスペ
ース。 約150名の客席を仮設可能なスペースをは
じめ、 ギャラリー、工房スペース、 宿泊施設 BAR
カウンターなどの設備を備えている。
(写真提供: BLACK CHAMBER)
有限責任事業組合(LLP=リミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ)とは、平成17年に施行された新しい事業体制度で、低リスクで小回りのきく活動が行
していると言われている。 http://www.meti.go.jp/policy/economic_oganization/llp_seido.html
「このままでは公の施設は、資金力のある
大手企業だけしか運営できない。 それでい
いのか。僕らのように小さくてもやる気 と
技術力のある民間企業が指定管理者になる大阪芸術創造館は、旭区センター、旭図書館
などを擁する建物の一画に位置している
道はないのだろうか」
そして、探し出したのが有限責任事業組
合という新しい制度だった。 「何でも自分で
やってみる」主義の小原さんは、さっそく旧
知の舞台関係者に声をかけ、3社合同でL
LPアートサポートを結成。 そして、最初
のチャレンジとして芸術創造館の指定管理
者公募に参入、選定を受けたのだった。
アートサポートが選定された理由を佐々
木さんは次のように説明する。
「芸術創造館は、単なる貸館ではなく、 こ
こならではの文化情報発信を求められる施
設〝芸術創造館”という存在感をどのよ
うに出していくのか、といったことが選定
委員会では討議されました。 また、自主事
業においても大阪市からの補助金に頼らな
いビジネスモデルが提案されており、将来
の指定管理者制度のあり方を示していると
いう点も評価されました。 アートサポート
は財政基盤が弱い、という指摘もありまし
たが、新しい展開が期待できる点が選定委
員たちの高い評価になったようです」
一方、小原さんは、「正直、僕たちが選ば
れるとは思っていなかった」と言う。もちろ
施設運営や企画には、これまでの経験と
実績から自信をもっていた。 だが、 有限責
任事業組合という新しい形態の組織は行政
にとって受け入れがたいのではないかと懸
念していたのだ。 未知の要素を含みながら
もアートサポートが選定されたことを、小
原さんは大阪市の危機感、改革への意欲の
表れだと受け取っている。
2006年4月よりアートサポートによ
る管理運営がスタート。館長になった小原
さんがまず提唱したのが、舞台芸術に関す
さまざまなジャンルを横断する施設づく
りだった。芸術創造館は、設立前から大阪
の演劇関係者の協力を仰いできたこともあ
り、演劇の稽古場というイメージが浸透し
ていた。 実際は、録音設備もある音楽練習
場や、ダンスバーや壁一面が鏡貼りになっ
練習場もあり、多様な舞台芸術に対応で
きる設備が整っている。
「僕の基本的な考え方は、コンプレックス、
つまり複合なんです。 現代の文化は、演
劇、ダンス、音楽、美術といったジャンルが
あり、さらに細分化されている。 アーティ
ストや演者は、自身のジャンルに特化して、
それを深めていくことが仕事でしょう。で
すが、僕のようなプロデュース業は、さまざ
まなジャンルを横断し、 複合させていくこ
とが仕事だと考えているのです。 僕は、 文
化とは豊かさだと思うのです。つまり、さ
まざまなジャンルが混在し、常に何かが創
造されていく気配に満ちたカオスのような
状態が文化の豊かさだと思っているのです」
と、小原さんは〝コンプレックス"に対する
信念を熱く語る。
取材時には、ダンスコンテスト 「DANCE
COMPLEX」と銘打ち、ヒップホップからコ
ンテンポラリーダンス、ジャズダンスなどあ
らゆるジャンルのダンスを対象にしたコンテ
ストが行われていた。 また、音楽でも同じ
ようなイベント「芸創ライブ」を行っている。
これらは、一切のキャリアや資格を問わず、
受付順で参加者を決める形式で、観客席に
は出演者の家族や友人たちも多数訪れ、懸
命に応援していた。
一方で、 パフォーミングアーツのインキュ
ベーションセンターとしての役割を担うべ
く、より専門性の高い自主企画も行ってい
る。 例えば、最先端で活躍するクリエータ
ーをゲストに招く「芸創ゼミ」、 さまざまな
ジャンルのワークショップを展開する「芸創
ラボ」、館長と自由に意見交換ができる「芸
「創サロン」などを随時開催。ちなみにこれ
らはすべてアートサポートの自主企画であ
り、指定管理者側で採算をとる必要がある
事業だ。
「僕の給料分が事業費です」と小原さんは
笑う。もちろん採算は考えているとはいう
ものの、こういう個人の熱意によって芸術
創造館のアイデンティティともいえる事業
が支えられていることをどう考えればいい
のだろう。
事業だけでなく、 貸館事業の活性化と利
用者へのサービス向上も指定管理者に課せ
られた仕事だ。 小原さんはまず、 練習場の
予約システムを改善した。 これまでは予約
は借り手が直接、 芸術創造館に来なければ
受け付てもらえなかったのだ。
「今の時代にお客さんにそんな手間を要求
するなんてあり得ないでしょう。インター
ネットや電話予約できるようにと大阪市に
提案したのですが、 個人情報のセキュリティ公立文化施設の
新たな担い手たち
ted manager syster
の問題などもあり、結局、ファックスでの予
約受付ができるようにすることで折り合い
ました。 平行して、ホームページに各練習場
の空き情報を掲載して、予約を取りやすく
するなどの工夫をしています」と小原さん。
同館の稼働率は、4月、5月は下降したも
のの、現在はだいたい昨年度比10~20パーセ
ント増となっている。
小原さんとしては、民間のノウハウとス
ピードを活かしたサービスをどんどん推し
進めていきたいが、行政側としては指定管
理期間の終了後、管理者が替わった場合に
もそのサービスが継続できるのか、といっ
懸念もあり、GOサインが出せないもの
も多い。
「行政の立場もよくわかります。 僕らプロ
デューサーの仕事は、いろんな人たちに共
感や納得してもらって進めるものです。 相
手が行政でも同じで、担当者に共感しても
らえるよう一つずつ話し合いを重ねれば、
何らかの解決策は見つかると思います」と
小原さん。
運営団体の交代により懸念されていた事
業の継続についても、市の主催事業だった
「芸術創造館マンスリーシアター」は大阪都
市協会に委託されるか指定管理者が中心と
なって企画運営を行うことになり、月1回
を基本に中堅の演劇人たちの舞台公演やワ
ークショップを行っている。
また、地域住民へのユニークなアプローチ
も始まった。 月1、2回、芸術創造館のス
タッフたちが揃いの黄色い服を着て「かたづ
け隊」となり、駅から芸術創造館までの道
筋の掃除をするのだ。ゴミ拾い"という
わかりやすい行動は、演劇やダンスなどに
は興味がなかった近隣住民にもストレート
に伝わり、好印象を与えているようだ。 ま
同じ建物内にある区民センターや図書
館とも連携できるよう三館会議もスタート
した。
当初は、不安定な要素も多分にあった芸
術創造館の指定管理者への移行だが、ほぼ
一年経ち、各方面との新しい関係を築きつ
つあるようだ。
さて、冒頭で挙げていた「官」と「民」の関
係は、どのように考えられ、実行されてい
るのだろうか。
「大阪には、民間が運営している劇場やホ
ールもたくさんある。 それらと役割分担し
ながら連携していく事業を始めています」
と小原さん。 例えば、 大阪市とロクソセレ
クション実行委員会の主催による企画「ロク
ソセレクション2006」。 これは、大阪の阿
倍野にある小劇場ロクソドンタブラックで開
催されたロクソドンタフェスティバルの受賞
劇団を招き、芸術創造館で受賞作品を上演
してもらおうという企画だ。
「僕は再演というのは、劇団やダンスカン
パニーにとって、とても大事なことだと思っ
ているのです。 再演することで、作品とし
てのレベルも上がるし、前回は観られなか
ったお客さんにも観てもらえる。 そんな積
み重ねが作品レベルを上げていくと思って
います」
また、大阪の南船場にあるIST(イス
ト) 零番館と同じ脚本で別の役者たちが演
じる脚本リレー企画、日本橋にあるインデ
ィペンデントシアターでロングラン公演をす
る時には芸術創造館を稽古場にしてその一
部を公開する試みなども進行中だ。
「1月に「会議室に潜入せよ。」というシン
ポジウムを開催して、民間の小劇場のプロ
デューサーたちと大阪でいかにしてロングラ
公演を行っていくかというテーマで話し
合いをしました。ロングラン公演に限らず、
お互いにどんな共同作業ができるのか、何
が足りなくてどう補っていけるのかを常に
話し合っています」
フットワークの軽さ、ネットワークの広さ
は、民間の劇場運営者として培ってきたノ
ウハウのひとつである。 一方で、小原さん
は、「実際に行政と深く関わるようになっ
て、公の施設を運営する難しさも思い知り
ました」と言う。
では、公の施設”と“民の施設〟の役
割の違い 共生をどのように考えているの
改めて聞いてみた。
「京都のアートコンプレックス1928は、
舞台芸術の専門家から「エンターテインメン
ト系ばかりをやっている」 といった批判めい
言われ方をしていました。 でも、それは
経営を知らないから言えること。もちろ
ん、僕もお客さんが入らなくてもいい作品
があることはわかっている。 しかし、民間
企業として経営していく限り、自主企画で
ない。
はある程度の採算を考えざるをえない。で
も、公の施設は、赤字はダメでも儲けなく
ていい。これは大きな違いです。ここで大
きく役割を分けることができると思いま
「す」
つまり、公の文化施設は、芸術の実験場、
未知数の若いアーティストたちのインキュ
ベーションセンターとしての役割があるとい
うのだ。だが、実験的、 先鋭的な芸術作品
は一般市民からの共感を得にくく、「市民
の税金を使って、市民にはわからない 芸
術”ばかりをやる」という批判も受けかね
「だから、民間との連携をして一体のもの
として提示するのです。 文化には、エンタ
ーテインメント的なものもあれば、ちょっ
ととっつきにくいものもあるということを
全体が見える形で出していければ、多様な
文化の豊かさが生まれてくる」
理想を熱く語り、 そして現実にするま
での冷静な戦略とステップを組み立ててい
く─「官」と「民」の両面を知った者だか
らこそ、見えている未来がある。
ダンスコンテスト 「DANCE COMPLEX」はキャリ

2007.02.09

『元気アップ近畿 小原啓渡インタビュー』ふれあい近畿/2007年2月号

アートには、
人を生き生きさせる力がある
アートコンプレックス
1928プロデューサー
小原啓渡 吃
もんもん
小劇場の運営やイベントの仕掛け、フリー
ペーパー編集長など、 アートプロデューサー
として幅広くご活躍です。その原点は何で
しょうか?
25年前のインド放浪が一つの原点です。 失恋
で悶々としていた時期、学生という身分、家
族、友達、日本という国・・・すべてを捨ててみ
ようとインドに行きました。 まだ純粋で若かっ
たんですね(笑)。当時のインドは“経済鎖国”
に等しい状況で今とはまったく違い、 カルチャー
ショックを受けていろいろなことを考えました。
初日の出を見ようと登ったネパールの雪山で死
にかけたこともありました。 そのときの満月の
明るさが印象的で、帰国後、照明の仕事に就
いたのが、舞台の世界に入ったきっかけです。
プロデューサーになられたのはなぜですか?
照明から舞台監督、プロデューサーという仕
事の流れの中で、日本のアートの状況を大き
な視野で見るようになりました。 今の日本で
はアーティストは食えないのが当たり前で、金
のことを言っちゃダメだという空気があります。
しかし、食えないためにやめていきます。 日本
の文化環境はこれでいいのだろうかと思い、こ
の状況を変えるために何か提言できることはな
いかと思い始めました。 僕はアーティストでは
ありませんが、彼らが活動するために、より良
い環境をつくることが役割だと思っています。ますか?
現在の日本の文化環境についてどう思われ
日本の文化芸術は長い伝統があるので「守
られるべきもの」という考えが根強いです。 こ
れはヨーロッパ的で、たとえばフランスの文化
施策は国主導です。 国家予算も日本とは比
べものにならないくらい出して、それだけのこ
とをしています。それに対してアメリカは「イ
ンディペンデント」、つまり自立です。 ブロード
ウェイのようなビジネスモデルが成功していま
す。 日本は、ヨーロッパ的文化行政とアメリカ
インディペンデントのバランスを取った方法を
模索するのがよいと思いますね。
関西の古い建物を活用してアート空間とし
よみがえらせておられますね。
アートは新しいものの見方や視点を啓発し
てくれます。一つの役割を終えた産業遺産、
都市遺産の中に違う価値を見つけ出します。
たとえばここ「ブラック・チェンバー」は、名村
造船所の跡を生かしたものですが、初めてこ
こへ来たとき「すげえ!」と感じました。 骨董
品でもそうですが、時間や人の思いが堆積し
ているものには、新しいものにはない「味」があ
るんです。もともと僕はそういうものがすご
こっとう
たいせき
近畿
-Genki!
元気ア
※1 ブラック・チェンバー:小原氏が大阪市住
験を生かして手に
ティブ公共施設などの建設、維持
管理、運営などを民間の資金、経営
平成11年にPFI法が成立。
まるほかイベントも開催
INTERVIEW
近畿にゆかりのある方に元気の秘けつなどをうかがいます
1960年、兵庫県生まれ。 1999年 「アートコンプレックス
1928」を立ち上げ、プロデューサーに就任。フリーペーパー
「P.A.N. PRESS」編集長など芸術環境の整備にかか
わる活動に取り組む。 2006年4月からは大阪市立芸術創
小原 啓渡(こはら・けいと)
造館館長も務める。 著書にインタビュー集 「クリエーター
50人が語る創造の原点』(論創社)がある。
く好きなんです。 学生時代を送った京都もそ
う。海外へ出れば出るほど、やっぱり京都は
すごいと思いますね。
活動の手応えをお感じですか。
もちろんです。 今は金とかモノとか戦後
のイデオロギーを支えてきた価値が行き詰ま
り、心の喜びや精神の充足を求める方向に
向いていると思います。 その気持ちが高まり、
爆発する臨界点が近い予感がします。 アー
トには、その流れを加速させる力がありま
す。 アートには、人を生き生きさせる力が
あるんですよ。
小原さんにとってのアートの定義は?
クリエイティビティー、つまり創意工夫です。
難しいことではありません。ちょっとした工夫
です。たとえば、主婦が家族のために献立の
メニューに知恵を絞って一工夫するというのも
クリエイティブなことです。 昔から「足らぬ足
らぬは工夫が足らぬ」というでしょ。当たり前
のことを当たり前に見ないで、クリエイティブ
に取り組み、一人ひとりが生き生きと元気に
なれば、会社もまちも国も、元気になりま
すよ。
そのために必要な行政の施策は?
NO
システムが大事ですね。システムというのは
いったんつくれば誰もが使えるものです。 僕が
今、実践しているのは「民間発案型PFI」 で、
「三条あかり景色」京都市の三条通を映像と
光でライトアップする)もその一つです。民間主
導で行政がサポートして公的な価値を生み出
すという方法を、アートという切り口でいろい
ろ試してみたいと思っています。 アートの世界
はほかの分野と違って競争がありません。心が
揺り動かされる感動をみんなで共有できるも
のです。一瞬の感動で心を通わすことができ、
人と人をつなぐことができるんです。
なぜそこまで一生懸命になるのですか?
なぜこの仕事をするのかということは、なぜ
自分は生まれてきたのかにつながる問いですね。
自分にとっての幸せは何だろうといつも考える
んですが、それはやはり人が喜んでくれるこ
となんです。 僕のプロデュース作品でみんなが
喜んでくれたらすごくうれしい。僕、お金を
出すことの本質は「ありがとう」の気持ちの代
替だと思っているんです。 経済効果というのは
人々の感動がお金に表れたものだと思っていま
す。 アートを切り口に、人が喜ぶことをもっと
したいと思っています。
9 ふれあい近畿

2006.12.08

『民のチカラを生かせ』北国新聞/2006年12月8日

金沢学会 七日開幕した第三回金沢学会 (金沢創造都市 会議開催委員会主催)では、北陸新幹線の開業 を見据え、金沢の「都市の引力」を強める上で、 「民間のチカラ」を生かすべきとの意見が相次 具体策として、市民から出資を募る文化 支援のファンド創設などが提案され、ふるさと への愛着を深めるためにも、市民や企業がまち づくりに参加意識を持つ必要性が指摘された。 世界遺産は 【 1面に本記】 ホームラン 全体テーマである「都」教授の浜野保樹氏が「金 市の引力」について、飛沢の引力」の一例を紹介。 田秀一金沢経済同友会代 「よく出身地をごまかす 表幹事は、ニュート 芸能人がいるが、金沢 ンの万有引力の法則 を引き合いに「質量 の大きい方に、小さ弓 い方が引っ張られるの のは都市の間でも同 じだ」と指摘した。 その上で、「北陸新者 幹線が開業すれば、 当地のヒト、モノ、カ ネが、質量の大きい 首都圏に一方的に引 っ張られる心配があ という名前は全国どこ でも口に出して恥ずか しくない。住民がまち に誇りを持てること が、大変な資産だ」と 語った。 「城下町金沢の文化 遺産群と文化的景観」 文化庁に世界遺産候 補として提案されたこ とへの意見も相次い だ。米谷恒洋金沢経済 「る」と述べ、ストロー対策 同友会副代表幹事は「石 の重要性を強調した。 「川県に世界遺産を」推進 討議では、東大大学院 会議実行委員長の立場か 誇れる 「都市の引力」をテーマに開幕した第3回 金沢学会 金沢市内のホテル 民のチカラを生かせ ら、藩政期の文化を今に 飛田代表幹事は、世界一知られている金沢出身の沢を世界に知ってもらう」在を埋もれさせてはいけ 伝えることが金沢の独自 遺産登録について「都市 人物は、鈴木大拙だ。金意味では、鈴木大拙の存「ない」と説いた。 性につながると強調。三の引力を強めるホームラ 宅理一慶大大学院教授は」とした上で、「ただ、 「世界遺産になった二十世界に目を転じると、世 年後の都市の在り方も考界遺産も各国の人が驚く 「えるべきだ」と述べた。話ではない。 世界で一番 「もてなし」「しかけ」「芸」の3つのチカラについて各分野の有識者からさまざまな意見が出された ゼン代表取締役の宮田 人司氏は「金沢には人を 引き付けるコンテンツが 文化、芸術 ファンドで支援 ほどある」として、ネッ トなどを使った情報発信 しかけのチカラ と創造はできない。 公共 を重視すべきと述べた。 事業やボランティア任せ 米沢寛金沢経済同友会 アートコンプレックス |浦工大教授の大内浩氏は によるまちづくりでな 副代表幹事は「引力のあ 1928プロデューサー 「街を面白くする仕掛け く、収入、支出も考えた る都市を作るには、時に の小原啓渡氏は、関西でを作れば、そこに投資し上で事業化すべきだ」と は住んでいる人のライフ 実施している「文化・芸てくれる人が出てくる具 強調。「行政がその事業スタイルを変えることま 術支援ファンド」の取り 体例といえる」と評価し、を助成する方式をとればで必要となる」と、まち 組みを紹介した。ファン 金沢でも応用できるので素晴らしいデザインが生づくりに強い決意が必要 ドは舞台芸術を応援する はないかと述べた。 まれる」とし、まちづくであるとした。 半田隆彦 個人投資家から資金を調今後のまちづくりの在りに民間の力を取り入れ 金沢经济同友会都市活性 達して作品を完成させ、り方について、福光松太る必要性を訴えた。 化委員長も歩けるまちづ 公演の収益を配当に回す郎金沢経済同友会副代表 インターネットコンテくりをにぎわいに結び付 仕組み。議長を務める芝 幹事は「民間の力がない ンツの製作などを手がけける重要性に触れた。 「第2の義務教育」 定年後に金沢で た。 吉本興業元常務でフリ景観をどこまで維持でき プロデューサーの木村るかが問われる」と述べ 政雄氏は、来春から 本格化する団塊世代 ラ 水野一郎金沢工大教 大量退職に触れ、カ授は「金沢という舞台 「六十歳になった于で、どんな演出、演技 文化や教養 の れる金沢に行き、第し 二の義務教育を受けな るのはどうか」と、て 文化的な魅力が来訪も 者をもてなすことを 強調した。 21世紀美術館と 神社をセットで 芸のチカラ 巡って尾山神社をお参り すればいいことがあるな ど、神社もエンターテイ ンメントに生かせるので はないか」と述べた。 オフィス祥の川井田祥 子氏は、大阪市内の寺院 ホールなど交流拠点と 過去の遺産 アートプロデューサー して活用している事例を をするか。 ではなく、我々の時代の山口裕美氏は、開館二紹介し、「点だけで頑張っ の行動様式が問われて年で来館者が三百万人をても街はよくならない。 どう面につなげていくか いる」と問題提起した。超えた金沢21世紀美術館 佐々木雅幸大阪市大がより活発に活動するたが大切だ」と強調した。 大学院教授は「カフェめに、郊外に芸術家が滞 のような場所に集ま在しながら作品制作など 討議は、まちづくりや 木村氏は「京都に 対話によって互いができる場をつくっては芸術、文化など各分野の は、閑散期の観光地に灯に刺激することで創造性 どうかと提案した。 有識者と金沢経済同友会 籠を置くだけで人を呼びが生まれる」と、交流拠 金沢の神道美術にも着の代表者ら十六人で行わ 込んだしたたかさ、たく点の重要性を説いた。 目し、「21世紀美術館をれた。 ましさがある」と述べ、も てなしにもこうした姿勢 が必要だと指摘した。 立川事務所代表でプロ デューサーの立川直樹氏 は、金沢市内の交差点で 野立て看板を撤去した結 果、景観が改善し、もて なしにつながったとした 上で、「注目される街は 必ず外敵が入ってくる。 手遅れにならないうちに

2006.12.01

『ぷらっとなみはや アート&カルチャーで心を豊かに!!』ぱど/2006年12月号

アートやカルチャーで感性を磨いて、心から輝く人へ・・・。 アートやカルチャーは、一部の愛好家だけのものではなく、誰もが楽しめ、心を豊かにしてくれるもの 洋服や家具を選ぶように、自分自身の感性にピッタリくる作品を見つけることは、自分を磨くことにもなるはず。 面白いと思うことや、感動すること、夢中になること・・・。 それは、あなたを輝かせ成長させることにつながります。 そんな、胸にグッとくる「何か」との出合いを大切に、アートやカルチャーを体感してみましょう! 地元再參息 vol.20 大阪市立 芸術創造館: 地下鉄谷町線 京阪本線 住所 大阪市旭区中宮1-11-14 電話 06-6955-1066 開館時間 10:00~22:30 休館日 12月28日~1月4日 アクセス 地下鉄谷町線千林大宮駅より [徒歩約15分 https://www.artcomplex.net/art-space/ 音楽スタジオはCD制作もOK。 利用料金等は お問い合わせを。 練習場はそのまま公演会場にもなる広さ&設備。 取材日は今話題の劇団 「デス電所」が稽古中だった。 なみはや 味覚やスポーツ、読書を堪能したら、最後は芸術。 もうすぐ本格的な冬の到来。残りわずかな美しい秋の季節を楽しみましょう。 地元の身近なアートスポットで、じっくりと「芸術の秋」を体験してみては? アート&カルチャーで心を豊かに!! いるので、そちらへの参加もオススメ。 プ、公演などのイベントも多数企画されて ポート体制が嬉しい。また、ゼミやワークショッ ティストをバックアップしてくれる心強いサ でなく、企画などの段階から表現者やアー イブなども開催も可能。練習や発表だけ 舞台設備も整っているので、演劇公演やラ 「大練習場」には客席も常設、照明や音響、 動する人が気軽に利用できる。一番大きな ニー、バンドといったあらゆるジャンルで活 楽スタジオなどを完備、劇団やダンスカンパ とした活動を支援する施設。稽古場や音 演劇やダンス、音楽など、芸術表現を目的 大阪市立芸術創造館 00991473-RK795-11T4bap

2006.11.01

『京都の実力プロデューサーが館長に』月刊地域創造・職員研修/2006年11月号

20061113-kiji1-2.jpg

2006.10.16

『まち未来形 エンジェルシステム?劇団運営の新たな活路』産経新聞夕刊/2006年10月16日

春に公開された映画『プロデュ ーサーズ』は、 落ち目の舞台プロ デューサーと会計士の2人が、 「舞台が失敗して打ち切られれ ば、出資者に金は戻らない」とい う仕組みを知り、多額の出資金を 集めて、失敗確実な「史上最低の ミュージカル」を製作する・・・とい うストーリーだった。 この映画の舞台は、ブロードウ フェイのショービジネス界。 現在、 40の劇場があるブロードウェイ の上演作品は、企業や個人投資家 の出資金によって製作され、ヒッ 下すれば出資者に利益が分配され る。作品は集客が見込める限り ングランされ、常にヒット作が上 演されているこの街には、世界中 から観客がやってくる。街がもた らす経済効果は年間3400億円 以上。舞台は夢を描く芸術だが、 「ヒットすれば一攫千金」という 現実の夢との相乗効果が、人と街 高揚させる。 ☐ さて、それに比べて日本の演劇 事情はどうか。一部の商業演劇の 沢田 香子 エンジェルシステムコ 劇団をのぞけば、日本には「小劇 「場」と呼ばれる無数の劇団があ る。規模も作風もさまざまだが、 スタッフは若く、台所事情は「苦 しい」が共通だ。 街の便利な場所で小さな劇場を 借り、数日間、公演すると経費は ざっと200万円以上。衣装や装 置は手弁当でも、音響・照明 は業者へ発注する。チケットを全 売っても経費をまかなえないケ ースがほとんどだ。団員は日頃か 公演費用を積み立てて負担に備 10年もロングランを続けるミュー ジカル『オペラ座の怪人』は6億 興行収入をあげている。 ☐ 演劇プロデューサーの小原啓渡 さんは、京都の劇場・アートコン プレックス1928で、これまで 2回、「エンジェルシステム」を 使ったロングラン公演を敢行して きた。エンジェルとは個人投資家 のこと。長期公演の費用の一部を 投資家からの小口のファンドで調 したのだ。 やされる。「お金がとれる舞台」 を作るにはお金が要るのだ。 ビジ ネスとして演劇を見る目線には、 長年、舞台に関わってきた小原さ んのキャリアが生きている。しか このお金は劇団と出資者、観客 に循環を生み、演劇がお金を介し 社会化するきっかけになる。 一 方向に与えられる助成金とは、似 て非なるものだ。 ☐ この2度のロングラン公演に は、ブロードウェイで行われてい ックチェンバーで上演された。作 品は電視遊戲科学舘の『ISAN A』。私もバッカス(出資者)の 気分で観客席に座ってみたが、 「もっと台詞を簡潔に」「衣装は 明るい方が受けるのでは」など 腕組みしていた。 お金がから むと、真剣度が違う。 アンケート によると、このシステムに賛同す る人は約9割。「投資の経験があ る」と答えた人は、 具体的な関心 を示したそうだ。数字を操作する だけのマネーゲームではなく、自 劇団運営の新たな活路 えるが、「持ち出し」も少なくない。 いい作品を作っても、チケット 収入だけでは赤字。 その原因は、 自前では長期公演の費用を抱え れず、公演期間が短いことにあ る。舞台を造るコストが同じな ら、公演期間は長いほど収益は大 きい。 ブロードウェイで初演から 文化 ロングラン公演をしたのは、豪 華な装置造りに定評のある劇団 「電視遊戲科学舘」と「キュピキ シュピ」。舞台は予想を上回る動員 数を記録。 出資者には配当金(そ れぞれ12%、8%)が支払われ た。 小原さんのファンドへの考えは こうだ。 「お金がないから、助け 「る」のではなく、返す目算が立つ 舞台の初期費用を出資者に立て替 えてもらい、利子をつけて返す。 出資金は豪華な衣装、迫力のある 照明など、観客の満足感を高め、 広い客層にアピールすることに費 は、 る。 「エンジェルシ る「エンジェルシステム」から欠 けていたものがある。 投資家に作 品の内容を説明する「バッカスオ ーディション」、作品のさわりを 試演する「トライアウト」という プロセスだ。トライアウト公演 は、ロングランに踏み切る前に投 資家の意見を聞く機会であり、投 する側にとっては公演が成功す るかを探る 「歌って踊る目論見 書」。2つのプロセスがあって初 めて、双方のリスクが軽減され 日本初となる「トライアウト」 公演は、7月、大阪の劇場・プラ 分のお金がスポットライトを浴び るのである。舞台は投資の対象と して、面白くないはずがない。 『ISANA』は、最高潮のシ ーンで「続く」と告知が出て終演 となった。 「トライアウト」から ロングラン公演への流れを作るエ シェルシステムもまだまだ続 く」の状態だ。 小原さんは「エンジェルシステ ムの確立には、ハリウッドでも1 00年かかってるんです。 まだま だこれから」と語る。 「続き」を 作るのは、客席に座る投資家と観 客なのだ。(フリーライター)

2006.09.17

「三条あかり景色2006『京の夜 彩るあかり』」 毎日新聞 2006年9月17日

京の夜彩るあかり 三条主催。「今夜手をつなぎた
三条通を光と映像で彩どりのあかりと映像が照
るイベント「三条あかりらし出され、道を行く人
「景色2006」が16日、は足を止めて光の演出を
楽しんでいた。
|中京区の三条通沿いなど
で始まった。中京郵便局
や京都文化博物館別館な
20代の学生から50代の
会社役員まで約50人から
どの重厚な近代建築や高なる市民グループ「楽洛
瀬川の水面などに色とり まちぶら会」(上京区)が
「くなる」を合言葉に室町
通から市営地下鉄三条京
阪駅までの間をライトア
ップするほか、約60の映
像を壁に照射する。あか
り・映像・音楽と伝統文化
とのコラボレーションも
見もの。18日まで。午後7
【椋田佳代】
~10時。
ライトアップを眺める浴衣姿の通行人
中京区の三条通で

2006.09.17

「三条あかり景色2006『シネコン三条通』」 京都新聞 2006年9月17日

建物壁面に映像作品が映し出された三条通 (16日午後7時15分、京都市中京区)
シネコン三条通
時。
芸術系大学生の映像
声時代劇
ビルや
作品など七十一作品が、
マンション、店舗の外壁に映し
出された。
建物に映像作品を映し出し、
夜のまちの新たな楽しみ方を提
案する「三条あかり景色200
6」が十六日、京都市中京区か
東山区にかけての三条通で 京都文化博物館で開かれた点
始まった。市民や観光客らは、 灯式では、「将来的に世界的な
にぎやかさを増した夜の通り 映像フェスティバルに育てよ
外壁上映にぎわう あすまで
のんびりと散策していた。
二十八日までで上映は午後七十
まちづくり団体「楽洛まちぶ
「会」が、京阪三条駅―両替町
う」と同会の小原啓プロデュ
―サーが市民に呼び掛けた。 式
と同時に三条通のあちらこちら
で上映が始まった。五分前後の
作品が多く、訪れた客らは歩み
た。鞍馬の火祭の記録映画や無ていた。
通の三条通約一㌔間で開催しを止め、それぞれの作品を眺め

2006.09.17

「三条あかり景色2006『京きらめく』」 朝日新聞 2006年9月17日

れんが造りの近代建築 町家が並ぶ京都の中心 部を映像と光で演出す る「三条あかり景色」が 16日夜、同市中京区の三 条通で始まった。赤れん 京都文化博物館別館 (旧日銀京都支店)が色 とりどりの光に包まれ= 写真、南部泰博撮影= 通り沿いのビルや町家の 京きらめく 壁など約70カ所にもコン ピューター・グラフィッ クスやアニメが映し出さ れた。三条大橋や中京郵 便局のライトアップ、演 奏会などもあった。 まちづくりの有志団体 「楽洛まちぶら会」主催で 今年で3回目。17日は午 後7時~同10時、最終日 の18日は午後9時まで。

2006.09.17

「三条あかり景色2006『シネコン三条通』」 京都新聞 2006年9月17日

建物壁面に映像作品が映し出された三条通 (16日午後7時15分、 京都市中京区)
シネコン三条通
時。
声時代劇、芸術系大学生の映像
作品など七十一作品が、ビルや
マンション、店舗の外壁に映し
出された。
建物に映像作品を映し出し、
夜のまちの新たな楽しみ方を提
案する「三条あかり景色200
6」が十六日、京都市中京区か
東山区にかけての三条通で
始まった。市民や観光客らは、灯式では、「将来的に世界的な
にぎやかさを増した夜の通り 映像フェスティバルに育てよ
京都文化博物館で開かれた点
外壁上映にぎわうあすま
のんびりと散策していた。 う」と同会の小原啓渡プロデュ
十八日までで上映は午後七十 ―サーが市民に呼び掛けた。式
と同時に三条通のあちらこちら
で上映が始まった。五分前後の
作品が多く、訪れた客らは歩み
まちづくり団体「楽洛まちぶ
「会」が、京阪三条駅―両替町
通の三条通約一㌔間で開催し
た。鞍馬の火祭の記録映画や無ていた。
を止め、それぞれの作品を眺め

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