北加賀屋 - メディア情報

2016.01.06

「造船所をアートの街に」/日本経済新聞夕刊2016年1月6日発刊

造船所をアートの街に/日本経済新聞夕刊2016年1月6日
日本経済新聞夕刊にプロデューサー・小原啓渡の記事が掲載されました。

2014.05.01

2013年度 AIR事業掲載のその他の記事一覧(WEB)

2013年度 AIR事業掲載のその他の記事一覧(WEB)
2013年度のアーティスト・イン・レジデンス事業でクリエイティブセンター大阪に滞在したアーティスト、ヨルン=ビシュルーによる制作発表の記事の中からその他の記事の一覧。
制作発表は2014年3月7日?11日に、大阪駅のナレッジキャピタルで開催された。
roomie
水の無いプールにふわふわ浮いてみたかった
HUH.
Deceptive Art Installation by Jeroen Bisscheroux
EURObiZ Japan
POOL, loss of colour
core77
Jeroen Bisscheroux’s ‘POOL, Loss of Color’ Will Mess with Your Mind (in More Ways Than One)
journal du design
POOL, loss of colour par Jeroen Bisscheroux
TALKOFDC.com
ART: POOL, Loss of Color by Jeroen Bisscheroux Trippy. Made to…
Antena 3
El artista Jeroen Bisscheroux crea la piscina, una ilusión óptica con sentido trágico
broadsheet.ie
Pool Hall Blues
Darlin Magazine
LE ILLUSIONI OTTICHE IMPRESSIONANTI DI JEROEN BISSCHEROUX
My Modern Metropolis
Deteriorating Swimming Pool is a Stunning Optical Illusion
Cultura Inquieta
Pool, loss of color
Junkculture
Pool: An Art Installation That Creates the Illusion of a Large Swimming Pool
Viral Nova
There’s Something Different About This Swimming Pool. You Might Not Realize It Til You Jump In…
ONFILTERS
【アート】ここまで来た!!かなりリアルなプールの3Dトリックアート。
ゆきふる
どうなってるの!?プールを描いた3Dアートが、もはや現実を疑うレベル
Luxury-Insider.com
POOL, LOSS OF COLOUR
Freemagz.com
POOL, Loss Of Colour Street Art Painting By Jeroen Bisscheroux
Laughing Squid
POOL, loss of colour, A 3D-Illusion Image of a Pool on a Giant Carpet
Contact iNews
Bisscheroux’s ‘POOL, Loss of colour’
HI FRUCTOSE
Optical Illusion with a Message by Jeroen Bisscheroux

2014.04.22

“No diving in at the deep end! Dutch artist creates stunning 3D optical illusion to highlight Japan’s Fukushima disaster” / 22 April 2014

20140910-AIR2013_on_DailyMail.jpg
▼記事はコチラから
“No diving in at the deep end! Dutch artist creates stunning 3D optical illusion to highlight Japan’s Fukushima disaster”
“(プールの縁から)飛び込み禁止!東日本大震災をテーマとしたオランダ人アーティストによる美しい視覚効果の3D作品。”
デイリーメール/イギリス
2014年4月22日掲載
2013年度のアーティスト・イン・レジデンス事業でクリエイティブセンター大阪に滞在したアーティスト、ヨルン=ビシュルーによる制作発表の記事。
制作発表は2014年3月7日?11日に、大阪駅のナレッジキャピタルで開催された。

2014.04.17

“This Giant, 3D Optical Illusion Of A Pool Actually Has An Important Message” / 04/17/2014

20140910-AIR2013_on_HuffingtonPost.jpg
▼記事はコチラから
“This Giant, 3D Optical Illusion Of A Pool Actually Has An Important Message”
“視覚効果による巨大な3D作品が投げ掛ける重要なメッセージ。”
ハフィントン・ポスト/アメリカ
2014年4月17日掲載
2013年度のアーティスト・イン・レジデンス事業でクリエイティブセンター大阪に滞在したアーティスト、ヨルン=ビシュルーによる制作発表の記事。
制作発表は2014年3月7日?11日に、大阪駅のナレッジキャピタルで開催された。

2014.04.16

Jeroen Bisscheroux tricks the eye with pool loss of color / apr 16, 2014

20140910-AIR2013_on_designboom.jpg
▼記事はコチラから
“jeroen bisscheroux tricks the eye with pool loss of color”
“見る者の目を欺くヨルン・ビシュルーによる作品 「Pool loss of color -色彩の喪失-」”
デザインブーム マガジン
2014年4月16日掲載
2013年度のアーティスト・イン・レジデンス事業でクリエイティブセンター大阪に滞在したアーティスト、ヨルン=ビシュルーによる制作発表の記事。
制作発表は2014年3月7日?11日に、大阪駅のナレッジキャピタルで開催された。

2014.04.09

A MIND-BLOWING ART INSTALLATION MAKES A STATEMENT / 04.09.14

20140910-AIR2013_on_DesignMilk2.jpg
▼記事はコチラから
“A MIND-BLOWING ART INSTALLATION MAKES A STATEMENT”
“圧倒的なアートインスタレーションが人々に強く訴える。”
デザイン・ミルク
2014年4月9日掲載
2013年度のアーティスト・イン・レジデンス事業でクリエイティブセンター大阪に滞在したアーティスト、ヨルン=ビシュルーによる制作発表の記事。
制作発表は2014年3月7日?11日に、大阪駅のナレッジキャピタルで開催された。

2014.04.02

“Jeroen Bisscheroux’s “POOL loss of colour” brings Tohoku swimming pool carpet art to Osaka” / April 2, 2014

20140910-AIR2013_on_JapanTrends2.jpg
▼記事はコチラから
Jeroen Bisscheroux’s “POOL loss of colour” brings Tohoku swimming pool carpet art to Osaka
“ヨルン・ビシュルーが「Pool loss of color」で大阪に再現した東北のスイミングプール・カーペット。”
ジャパン・トレンド
2014年4月2日掲載
2013年度のアーティスト・イン・レジデンス事業でクリエイティブセンター大阪に滞在したアーティスト、ヨルン=ビシュルーによる制作発表の記事。
制作発表は2014年3月7日?11日に、大阪駅のナレッジキャピタルで開催された。

2011.05.02

『北加賀屋クリエイティブビレッジ構想』日本経済新聞/2011年5月2日夕刊

2011年(平成23年) 5月2日 (月曜日
歴史的建築物
進深
化
日本經濟新聞(夕刊)
来訪者が減るなどかつての
輝きを失いかけていた歴史遺
を再生させようと、地域住
民主導の整備が進んでいる。
観光名所にとどまらず、地元
住民が交流を深めたり、文化
芸術の発信拠点になったり。
行政頼みと決別し、貴重な歴
史的建築物や遺跡が地域住民
らの手で街のシンボルによみ
がりつつある。
「文化財の活用まで十分に
手がまわっていなかった」
(独立行政法人国立文化財
機構奈良文化財研究所の多
昭彦研究支援推進部長)
東大寺などとともに世界文
化遺産に登録され、2010
開催の平城遷都1300年
祭ではメーン会場にもなった
平城宮跡。かつてはたばこの
吸い殻などゴミが散乱してい
たという。
見るに見かねて立ち上がっ
たのは観光客に紹介するボラ
1年に
ンティアの解説員ら。
特定非営利活動法人(NPO
法人) 「平城宮跡サポートネ
ットワーク」を結成した。 啓
発ポスターはデザイナー経験
者が作り、元商社マンは得意
英語で外国人を接客。 歌人
の柿本人麻呂を題材にしたキ
ャラクターもメンバーの家族
が考えた。今春の「平城宮跡
クリーン大会」では県外から
の参加者を含め約350人が
清掃に励んだ。
芸術拠点に
「歴史的建築物が持つ集客
力を街づくりに生かした
い」(京都の小劇場 「アー」
トコンプレックス192
8」などを運営する小原啓
渡プロデューサー)
大阪市住之江区にある北加
賀屋地区の一角。 古くから造
船所が立ち並び重工業で栄え
たこの地が“アート村〟に生ま
れ変わろうとしている。 小原
さんらが進める「北加賀屋ク
リエイティブビレッジ構想」
だ。
その中核拠点でもある名村
造船所跡地は独特のレトロな
街の顔見つけた住民動く
教育に
内容
地域住民を巻き込んだ再興が進む
地関
関西の主な歴史的建築物
教育委員会が見学ルート
を策定し、高校生を案内
などを開催。 映画撮影も
1日3回のパトロールやゴミ
拾いを通じて地元住民が
名村造船所跡地 音楽やコスプレ
建築物
大阪市内の
近代建築
周辺地域の活性化に寄与
平城宮跡
(奈良市)
毎日新聞社
京都支局
イベントホールの設置や
ラジオ局の誘致を実施。
赤レンガ倉庫群
ジャズコンサートなどを
映画のセットとして使用された名村造
船所跡地 (4月21日、 大阪市住之江区)
(京都府舞鶴市)開催。6、7号 2012年
雰囲気が若者をひきつけ、人
気の音楽ライブや映画撮影拠
「文化財の付加価
点に再生。
値を高め、カネを集めて再投
資する仕組みをいかにつくる
行政に依存した活用は続
か。
かない」と小原さんは言い切
る。
「保護から活用へ、文化財
の所有者も意識が変わって
きた」(大阪府教育委員会
文化財保護課の地村邦夫統
括主査)
関西の重要文化財(建造物)
は4月1日時点で1726
棟。 重要文化財の棟数では上
位5府県を関西勢が独占。 築
50年以上の登録有形文化財は
1996棟に上る。 貴重な財
産を後世に伝えようと、学校
と行政の二人三脚の取り組み
始まった。
「淀屋橋周辺の歴史的建築
物を学校教育に活用できない
か」。教科書に載っていない
身近な文化財の存在を知らな
い子どもが多く、危機感を抱
いた大手前高校(大阪市)の教
師が提案。心を動かされた地
村さんは関係者に掛け合い、
周辺の文化財を巡る見学ルー
トを作成。98年12月に同高校
から希望者16人を招いた。
再開発が進むなか、人知れ
ず姿を消す歴史的建築物は多
い。 変わりゆく街の中で歴史
遺産の価値をどう位置付ける
か。「地域住民が中心になっ
行政を動かす事例は今後も
増える」と小原さん。 地域住
民主導の挑戦はまだ続く。
経済部新田祐司)
地元の住民らも参加して開催された「平城宮跡クリーン大会」(4月16日、奈良市)

2011.03.29

『クリエイティブ・ビレッジを訪ねる… 風来望』朝日新聞/2011年3月29日夕刊

享月
新
(夕刊)
2011年(平成23年) 3月29日
月ワーク
火曜日
火曜 旅・文化
Do!
クリエイティブ・ビレッジを訪ねる… 風来望
アート工場、地域と新出
かつて大型船を造った工場は劇場に
なり、築数十年の長屋はギャラリーに
変わる。 大阪港に臨む大阪市住之江区
の北加賀屋地区。戦前から造船所が立
ち並び重工業で栄えたまちが、昭和の
面影を残しつつ、とんがった「芸術
「村」に生まれ変わろうとしている。
「クリエイティブ・ビレッジ」と名
付けられたこの構想。 その拠点が木津
川沿いに立つ複合施設「クリエイティ
ブセンター大阪」。もとは名村造船所
大阪工場だった。4万、級の大型船を
建造していた工場は1970年代に九
州へ移転。4万2千平方の広大な敷
地が使われずに残されていたが、20
04年、地元の不動産会社が京都で劇
場を運営するアートプロデューサーの
小原啓渡さんに持ちかけ、 「産業遺産
を芸術空間に」する試みが始まった。
灰色の古びたビルに入ると、音響や
照明設備が整った劇場やアトリエ、ギ
もとは造船所の事務
ャラリーが並ぶ。
所や製図室があった建物で、4階の緑
の床に刻まれた幾何学模様の設計図が
当時の面影を残す。 赤鉄骨の作業所は
イベント広場に、倉庫はライブハウス
に変身。跡地前の防潮堤にはギリシャ
出身の作家の壁画が描かれ、 セピア色
の近代とカラフルな現代とが重なり合
った光景がそこに広がる。
構想はさらに住宅地の中へ。北加賀
屋駅の北側一帯。植木鉢が並ぶ細い路
地を歩くと、空き家だった古い平屋や
たばこ屋を改装したギャラリー、カフ
絵画教室やデザイナー
ェが点在する。
集団の事務所もある。3軒続きの長屋
の引き戸を開けたら、そこは”動物の
楽園”2近いピンクのフラミンゴ
■長屋3軒のスペースで表現する酒谷星子さんの「フラミンゴ畑」は、子ども
たちの遊び場にもなっている 名村造船所跡地前の防潮堤に描かれたギリシ
ャ出身の作家「b.」の作品 クリエイティブセンター大阪4階の床には昔
の製図の跡がそのまま残る 4コトハナのアートプロジェクト「シンサイミラ
イノハナ」。花びら状のカードに震災のメッセージを書く
2
名村造船所跡地)
クリエイティブセンター
新なにわ筋
クビレ
北加賀屋駅
地下鉄四つ橋線
クリエイティブセンター大阪 (C・
47027085)は大阪市住之江
区北加賀屋4の1の58。 大阪市営地下
鉄北加賀屋駅から徒歩10分。 利用は
事前に問い合わせを。 クビレ邸 (1
・74927504) は同区北加賀
2の8の8。 北加賀屋駅から徒歩1
分。 午後3~11時、木曜休み。
のオブジェ80体がひしめく中で、近所を併設し、若き芸術家と住民たちと
の子どもたちがはしゃいでいた。 が語り合う場になりつつある。
目立ち始めていた空き家に街の外
から芸術家や創作家たちがやって来
て、アートでまちを活気づけてくれ
る」と、AIR大阪のマネジャー猪股
(25) AIR大阪は、そうし
春香さん
創作活動に携わる人の専用の宿泊施
設。廃業した旅館を改装して、国内外
の芸術家を受け入れている。
「なぞの若者たちがうろうろしてい
」。そんな地域の不安を解消すべ
く、宿の近くには芸術村の案内所「ク
ビレ邸」もできた。 ギャラリーとバ
3
この芸術村に昨秋、大学を出たばか
の若者4人が事務所を構えた。ピン
NPO
クの外壁の花屋の2階にある。
法人「コトハナ」という。黄色い花び
ら状のカードに阪神大震災への思いを
募り、それを集めて神戸のまちに"メ
い
ッセージの花を咲かせてきた。
ま、東日本大震災の被災地にも咲かせ
アートの力でみ
たいと準備を始めた。
んなを幸せに――そう信じて。
文・深松 真司
写真・伊藤菜々子
◆ 「風来望」 は今回で終わります。
20110401-20110329_asahi_top.jpg

2009.04.25

『大阪・名村造船所跡地における試み』アートイニシアティブ リレーする構造/2009年3月31日

史/みかんぐみ/開発好明 / 北川フラム/曽我高明/国吉直行/池田修 / 松田朋
/中島諒人/野田恒本和枝 / 森下隆/田中信太郎/竹下
司/寺田真理子/山野真悟/中村誠/関口正洋/佐藤朋子 菅原幸
トニンアテ
佐藤朋子 菅原幸子/西田司/中山ダイスケ/馬場英男/中村武/
|直行/池田/松田朋春 / 北沢猛/高嶋敏展/吉川由美/上田奈代/山
ティブ
下隆/田中信太郎/竹下部/中西美穂/杉山知子/木ノ下智恵子/武
藤子/西川武臣/アサダワタル/細淵太麻紀/太田浩史 / みかんぐみ!
宮/相馬千秋/小原啓護/ 小川希 / 豊島重之/中島諒人
渡辺好明/長田謙一/神野真吾 / 加治屋健司/ 寺田真理
リ
幸田
川
田一幸/福田可!
アートイニシアティブ
リレーする構造
Art Initiative Communicative Infrastructure
D
NAMURA ART MEETING
04-34
00
100
KENTAR
大阪・名村造船所跡地における試み
小原啓渡/ クリエイティブセンター大阪
大阪市西部を流れる木津川沿いは、大正時代から戦
後の高度成長期にかけて西日本有数の地帯とし
て栄えたが、1980年代に入ると韓国メーカーの台
頭や、船舶大型化などの波に押され、造船所は次々
と撤退、 現在は休眠した工場が少なからず存在する
エリアになっている。
このエリア内に位置する 「名村造船所跡地」 は、 甲
子園球場よりも一回り広い約4万2千平米の敷地を
持ち、 土地オーナーの千島土地株式会社から株式会
社名村造船所に1931年より賃貸されていたが、長
年に渡る造船不況の末、 平成元年 (1989年) に返
還された。
その後、千島土地はヨットハーバーへの転用などを
検討したが、 地域一帯にかかる開発規制などもあり、
建物の一部を音楽スタジオに改装 (1993年) する
にとどまり、その後、 利用の目処が立たない状態が
続いていた。
アートプロデュースを生業とする私が、2004年の春、
千島土地 (芝川能一社長) のお誘いを受け、 初めて
この地を訪れたのは夜であったが、2本の休眠ドッ
ク、鉄骨造の工場家屋などが闇の中にぼんやりと浮
かび上がる廃墟化した景観に大きな衝撃を受けた。
木津川を挟んだ対岸には、 「ブラックレイン」 (リド
リー・スコット監督作品、 1989年)のロケ地にも
なった巨大な中山製鋼所が圧倒的な存在感を持って
横たわっており、稼働を続けている高炉の煙突から
オルタナティブスペースの誕生
53
は、時折激しく炎が立ち上っていた。
日常の生活圏から離れた臨海工業地帯、 人影の無い
広々とした空間が醸し出す廃墟的で非日常な雰囲気
に魅了された私は、後日、中心市街地からの行程を
確かめる意味もあり、 日中、 公共交通機関を使って
再度この地を訪れた。
大阪市南部の中心 「なんば」 から地下鉄で約10分、
「北加賀屋駅」から徒歩で数分の距離、イメージし
ていたより随分とアクセスがいい。
土地と共に返還された工場棟の一つは音楽スタジオ
として改装されていたが、ほとんど稼働していない
状態、他の棟の4階には、かつて実寸大で船を製
図していた無柱のドラフティングルーム (縦50m
×横20m) が残っていた。
市の中心地では相当の資金がなければ確保できない
であろう広大な空間 アーティストの感性を刺激し
創造性を喚起させるであろう、時間の堆積を思わせ
る朽ちかけた建造物。
私は、近代産業遺産ともいえる 「名村造船所跡地」を、
アートを切り口に再生したいという思いに取りつか
れ、すぐさま、 オーナーである千島土地に、この地
をさせていただきたいと申し出た。
2004年9月、 この地で最初に行ったしは 「NAMURA
ART MEETING 04-34」 (Vol,00) 36時間連続で開
催したアートイベントである。(実行委員: 高史郎・
松尾恵木ノ下智恵子 小原啓)。
シンポジウムやフォーラムなどを通じて、長期的
な方向性と未来像を探るべく、 「現存する歴史的産
業遺産を、今後どのように活用していくべきか?」
という問いを主なテーマとした。 (NAMはその後、
2005年・2007年・2008年開催)
当時、 ほとんど知られていない空間であったにもか
かわらず、結果的に数百人という人々が集まり、大
半の来場者がこの地の可能性を絶賛、これを機に本
格的なアートスペース「クリエイティブセンター大
阪 (CCO)」 が立ち上がることとなる。
CCOは、 アートコンプレックスグループの母体で
あるリッジクリエイティブ株式会社が土地オーナー
である千島土地株式会社から賃貸し、 場所のレンタ
ル業務を収入源に運営を行っている。
オープン以来、 外観を変えることなく内部のリノベ
ーションを続け、 製作から発表に至るすべての行程
が一括して行える施設として整備を進めているが、
今のところ公的な資金援助が一切ないプライベート
経営のため、維持・継続という面において厳しい経
済状態にあることは否めない。
このプロジェクトは、 「新たな価値観の創造を喚起
する」というアート本来のコンセプトをベースに、
「廃墟に眠るポテンシャル」ともいえる魅力的な空
間を存分に活用する創造性あふれる人々のパワーが
地域に影響を与え、街を活性化するという目標を含
んだ長期的な展望に立っているため、30年と
いう土地オーナーとの約束が、 あらゆる活動のペー
スとなっているが、同時に経済的に成立させる方策
も模索し続ける必要がある。
現在、 立ち上げから約5年が経過し、ほぼ毎週末、
様々なパフォーマンス、イベントが開催されるよう
になり、ウィークデイも、映画の撮影 稽古場や工
房として利用されるようになってきたが、質の高い
自主企画を打ち出し続ける体制づくりは必須である。
「アートの実験場」としての尖った側面と、 ソフト
なイメージも必要となる 「地域振興」 をバランス
良く醸成していくために、いかに活動を続けてい
くかが今後の大きな課題となるが、 「NAMURA ART
MEETING 04-34」 や 「パクト大阪」 (アンダーグラ
ウンドシーンの祭典) などアニュアルイベントで先
鋭性を出し、 地域とのかかわりを深める日々の運営
を地道に展開していくことで「地域に根差したアー
トの実験場」の実現を目指している。
昨年(2008年)、 アーティストの長期宿泊施設とし
て、木造旅館をリノベーションした 「アーティスト
イン・レジデンス大阪 (AIR大阪)」をオープンし、
同年、「名村造船所跡地」 は、経済産業省によって「近
代化産業遺産群」に認定された。
WTHIT
54
オルタナティブスペースの誕生
オルタナティブスペースの誕生 55

2009.04.01

『関西特集・地域の力 活用して残す産業遺産』日経関西コンシェルジュ/2009年4月1日

2004.10.01

『名村造船所跡地30年の実験』美術手帖/2004年10月

vol.00 「臨界の芸術論」
|会場=名村造船所跡地 (大阪
市住之江区北加賀屋4-1-55)
日時 9月24日17時~26日
|問合せ=090-8467-1406
のドラフティング・ルー
info@namura-art.com
www.namura-art.com
075-254-6520
△跡地:
前ページ造船所対岸から
製鋼所プラントを望む
Photo Shiro Takatani
t
NAMURA ART MEETING '04-'34
名村造船所跡地30年の実験
果をすぐに求められる企業ではありえ
ない方法だ。 アートが本来持っている
無目的性に着眼したプログラムだとも
いえる。
現地を訪れると、衝撃的風景が目に
飛び込んでくる。造船所跡地の木津川
対岸に製鋼所のプラントが不気味に並
ぶさまは、まるでスタジオジブリのア
ニメ『天空の城ラピュタ」の実写版風景
とでもいえようか。造船所の大方の施
設は解体されているが、ドラフティン
グルームという巨大な船の設計図を
原寸大で図面に起こす部屋の床には、
製図の跡が今も残る。 ここで真夜中の
ミーティングが催される。 また、別棟の
リニューアルされた大きなスタジオで
は、シンポジウムが開催される。
加藤義夫=文
今秋、大阪市内の造船所跡地で
「NAMURA ART MEETING '04-'34」
という30年間にわたるプロジェクトが
始動するという。 100年、一世紀と
いうと嘘っぽいが、50年もまた信憑性
に欠ける。 30年というのは、私たちに
とってイメージできる時間でありリア
リティーを持つ。このプロジェクトは、
大阪市住之江区北加賀屋にある名村
造船所跡地(私有地)をアートの実験場
として展開させていくものだ。造船所
は1989年の閉鎖以来、一般の入場
が閉ざされている広大な土地で、 本年
この地を訪れたプロデューサー小原啓
渡がその風景に触発され、ユーデーコ
ンサルタンツの西田氏と議論の上、瀬
博美氏個人に資金協力を依頼して、
この企画を立ち上げたようだ。
公立の美術館や博物館が破綻しかけ
ている昨今、民間の高等遊民たちが仕
シンポジウムのゲストには、批評家
の浅田彰や美術家で美術評論家の岡崎
乾二郎、 建築批評家の五十嵐太郎、 美
術家の椿昇、建築史家の橋爪紳也など
の論客に加え、 graf代表の服部滋樹や
NPO法人 remo と recipの甲斐賢治、
TVプロデューサーの小関道幸、 京都
造形芸術大学教授の小林昌廣、そして、
劇団・維新派の主宰、松本雄吉など多
彩なメンバーがそろい踏みする。 テー
マは「臨界芸術論」 や 「文化芸術は経済
の起爆剤となり得るか」「知的産業者
達の密かな企み」「身体・都市・アート」
などといった興味深い内容だ。
この他、「ナムラナイト」として真夜
中のミーティング、36時間上映プログ
ラム、船でのクルージング、そしてクラ
掛けるアートイベントに期待は膨ら
む。さらに造船所跡地提供者の千島土
地の大らかさにも驚かされる。日本が
沈没寸前でも遊び心と儲け心のバラン
スをとって大阪湾の地盤沈下をくいと
めたいという心意気なのだ。「ほんま
かいなぁー」と突っ込みたくなるほど
のいいお話。 実行委員は関西のキーパ
ーソンたち、高谷史郎 (ダムタイプ/映
像作家)、松尾恵(ヴォイスギャラリー)、
木ノ下智恵子(神戸アートビレッジセン
ター)、プロジェクト代表に小原啓渡
(アートコンプレックス1928)という
最強メンバーで構成されている。
しかし、この30年間のプロジェクト、
何をどうしようというプランは、明確
にはないらしい。 とりあえず、みんな
で集まってシンポジウムやフォーラム
をしながら考えようという気楽な雰囲
気は、単年度予算に縛られる行政や結
ブパーティーなどエンターテインメン
トも用意されているところが心憎い。
DUETOWA TW-Shiomiya
を迎え、音響・映像ユニットのsoftpad
の南琢也を起用。 コラボレーション・
ライブには、REI HARAKAMI
音楽で高谷史郎が映像で共演し、 バ
フォーマンスはNADJAといったゴ
ジャス・ナイトになるもよう。 屋外
にはgrafプロデュースのカフェ&バー
もオープンする。
9月24日夕刻5時から26日朝5時ま
で、廃墟の中の3時間で何が起こるか、
何が変わるかは、現場を訪れて確かめ
てみるしかない。
○かとう・よしお
[インディペンデント・キュレーター]
120

PAGE TOP