メディア情報

2000.01.15

『あすを生きる 小原啓渡インタビュー』京都新聞/2000年1月15日

京都の繁華街の一角、中
京区三条通御幸町に「アート
コンプレックス1928」は
ある。 らくだ色をした四階建
てのビルの三、四階部分を修
復し、昨年十二月に誕生した
多目的ホール。舞台芸術、音
楽など、文化創造の新たな拠
点として注目を集めている。
もともとこのビルは、 京都市
役所や京都大の時計台などを
設計した武田五一が手がけ、
一九二八年に完成した毎日新
聞社京都支局の建物だった。
支局移転を機に、建築家の若
林広幸氏が九八年に買い取
保存している〉
を担当することになった」
<電源、冷暖房、照明、音
響設備は完備したが、天井は
アーチ型のまま。意匠的には
昭和初期のハイカラな雰囲気
そのままだ。白を基調にした
空間は劇場としての個性を十
分に感じさせてくれる〉
だけでなく、融合して違うモ
ノを生み出す段階に来てい
のではないか。別々に語られ
がちなエンターテインメント
(娯楽性)と芸術性が融合
性
したモノを発信していきた
い。日常から切り離され、洗
練されたアートを、日常に近
づけるためにも娯楽性は必要
『スーパー歌舞伎』がそ
たが
こけら落とし公演には、
東京のダンスカンパニー「コ
コンドルズ」を招いた。ダンス
あり映像、生演奏、演劇あり
とまさにコンプレックス。「徹
底した痛快無比の娯楽作品を
追求」しているカンパニーだ〉
オープンして一カ月たっ
「お客さんは、時間の堆積
が染みついている空間に魅力
を感じている。単なる箱じゃ
ない。芝居、ダンス、シンポ
ジウム、ファッションをやっ
たが、二十九日には初の音楽
ジャンルとしてタンゴを企画
している」
(パフォーミング・アーツ・
プレス」で、
ネットワーク)
「創造とはなにか」のテーマ
で芸術家へのインタビューを
連載中だが
「これまで、国内外問わず
二十人以上にインタビューし
た。『創造』は、抽象的では
あるが人間にとって根本的な
こと。日常生活で、創造して
ますか、と問いかけたい。大
切なのは、『ナンバーワン』
ではなく、『オンリーワン』。
比較して出し抜くことより、
自分にしかできない感覚をい
かに磨くかが重要ではない
か。ホールで言えば、『今の
ホール名を「アートコン
「プレックス」としたのは
「二十年ほど、照明を中心 「コンプレックスとは複合のいい例だと思う」
文化創造の新拠点に
フリーペーパー「PAN 生活、何かちゃうねん』と思
っている人に足を運んでほし
い。意識、価値観が変わるき
(聞き手 平井 利彦)
っかけになれば」
に舞台制作の仕事を続けてい
る。若林さんとは以前からの
知り合いで、ホールを見に誘
われた。二百二百五十人収
容規模のこんな劇場が街中に 体の意。異分野のアーティス
あったのかとびっくりした。 トが融合する複合芸術を目指
近年は閉鎖状態だったよう したい。歌舞伎がそうだ。 音
で、若林さんの思いは、文化 楽、ダンス、芝居が絡み合う
発信のビルに再生したいとい総合芸術ですから。 近年、い
うことだった。二つ返事で『やろんなジャンルが共同で表現
りましょう』と。共同出資でするコラボレーションが試み
会社を設立し、私が企画運営 られているが、単に持ち寄る
あすを
聞く
「アートコンプレ
ックス1928 小原啓渡さん
のプロデューサー
こはら けいと 1960年兵庫県生ま
れ。同志社大法学部中退後、 舞台照明に
携わる。現在、舞台制作会社代表。フリ
ペーパー「PANプレス」も発行する。
南区在住。

1999.12.05

『昭和初期の名建築、いま複合芸術の砦に』京都民報/1999年12月5日

1999年12月5日 (日曜日) (毎週日曜日発行)
京
都
民 報
若者たちの注目を集める中京区の三条通り界隈。 昭
和初期の名建築を今に残す旧毎日新聞京都支局ビル
(三条御幸町角)の三階ホールが多目的ホール「アー
トコンプレックス1928」としてリニューアルオー
プンします。
設計した七十一年前の建築
物で、京都市の登録有形文
化財に指定されています。
星形のバルコニーや玄関左
のランプカバーには二〇世
紀初頭のヨーロッパの装飾
様式であるアール・デコの
影響が認められます。
若林広幸氏(南海特急「ラ
ピート」をデザインした建
築家)が私財三億円を投じ
て買い取り補修しました。
「建物は使われなければ
ならない」と強調する若林
氏はホールのオープンにあ
たって「博物館のような保
ャラリー、二階にレストラ
ン、地下にカフェが入りま
す。
し、凝った演出ができるよ
うに電気容量、音響、照明
などを再検討し、設備を整
化の一途で人々の生活から
かけ離れてしまった感があ
るんですが、今は逆に複合
コンドルズ
こけら落とし公演
10日から
を目
使いながら保存
同ビルは、京都が生んだ
近代建築家の草分け、京大
の時計台や京都市役所庁舎
設計者である武田五一が
建設当時の毎日新聞京都支局ビル
初期の名建
毎日新聞京都支局の移転
にともなって、建て替えの
話が持ち上がり、武田の建
築が失われる現状を惜しむ
旧每日新聞|
京都支
いま復合芸術の砦に
何でもござれ
ホールは木組みの床に白
壁、丸天井とバルコニーと
いう旧ホールの仕様を生か
三条通の名所残った
建築家
若林氏 三億円投じて買収・補修
存ではなく、現役の商業用
ビルとして使うという発想
だ」といいます。ビルには
三階ホールの他、一階にギ
しながら、音楽、映像、芝
居、古典芸能からファッシ
ョンショー、さらにこれら
を複合した舞台まで対応
えました。
同プロデューサーの小原
啓渡氏は「舞台芸術は細分
芸術 (コンプレックスアー
ト)の方向。このホールはこ
れに対応した」といいます。
ンスカンパニー「コンド
ルズ」を招いてこけら落と
公演が開かれます。 「コ
コンドルズ」の公演は「二〇
○○年バージン」で関西初
公演。ホールの特色と機能
を
フル活用した舞台を披露
します。芝居、無声映画と
生演奏、現代美術や指人形
まで盛り込んだ意欲的なス
テージです。
十日(金)午後七時半、
十一日(土)午後二時半・
後七時半、十二日(日)
午後二時半。一般前売り三
千円(当日三千五百円)、
学生前売り二千五百円(当
三千円) 問い合わせはア
アートコンプレックス192
80075.16520°
古典芸能からファッションショーと、ジャンルを
越えた複合芸術の場としてリニューアルする多目
十日(金)から十二日(日)
には、近藤良平さん率いる
ダ
的ホール「アートコンプレックス
午

1999.12.05

『若者文化の発信基地へ』毎日新聞/1999年12月5日

若者文化の発信基地へ
旧毎日新聞京都支局ビル
装い新たにお披露目
中京区三条通御幸町角の
旧毎日新聞京都支局が、貸
レストラン 今週オープン
しホールとレストランに改
装され、今週のオープンを
貸しホールとして生まれ変わる旧毎日新聞京都支局の3階
前に4日、関係者に披露さ
れた。大毎京都会館(京都
支局)として竣工した19
28(昭和3)年にちなみ、
「1928ビル」の名称で、
若者文化の発信地として生
まれ変わる。
旧支局ビルは明治から昭
和初期に活躍した建築家の
故武田五一の設計で、アー
ル・デコ調の名建築として
知られる。昨年3月に売却
を受けた、若林広幸建築研
究所が柱や外壁などを全
この日はインドの弦楽器
のシタールが流れる中、ホ
ールでベリーダンスやパフ
ォーマンスが披露された。
ビルのオーナー、若林広幸
所長(50)が「かつての支局
のホールのように、文化の
発信地にしていきたい」と
あいさつした。
貸しホールの料金は、平
日午前10時~午後10時の終
日使用で1万円。 ホールの
こけら落とし公演は10~22
日、ダンスカンパニー「コ
面的に改修した。貸しホーンドルズ」による「200
になったのは旧支局の30年ヴァージン」。2階の
階ホールで、名称は「アー 旧支局編集室は、洋風レス
トコンプレックス192 トラン「アマーク・ド・パ
8」。演劇やコンサート、 ラディ・キョウト・コンプ
講演会など幅広い分野に利 レックス」として、5日オ
用できるという。
ープンする。
【中村美奈子】

1999.12.05

『旧毎日新聞支局ビル 文化の拠点にリニューアル』朝日新聞/1999年12月5日

文化の拠点にリニューアル
旧毎日新聞京都支局ビル
昭和初期に建築家武田五一によって建てら
れた旧毎日新聞京都支局ビル(中京区三条通
御幸町角)が四日、「1928ビル」と名前
を変え、リニューアルオープンした。 ビル内
演劇やダンスなどが上演できるフリース
ペースが設けられ、新たな文化の発信拠点と
して再出発する。
同ビルは一九二八年に建築
された。地上三階、地下一階
建て。三階バルコニーの形状
などにアール・デコの影響が
みられる。京都市登録有形文
化財にも指定されている。
毎日新聞が移転することを
知った建築家若林広幸さん
市民へホール残す
(HO)=上京区=が買い取り、
新名称には建築された年代を
採り入れた。支局ビル当時か
ら三階ホールは演劇や講演会
などが開かれ、市民に広く利
用されてきたため、ホール機
能は残すことにした。天井の
高さは五、広さは二百十平
客席は最大で二百五十
席。音響面などで改築を加
え、ホール名は「アートコンプ
「レックス1928」にした。
これまで営業をしてきた地
下のカフェと一階のギャラリ
などに加え、二階にはレス
トランも新たに開店した。
ビルオーナーとなった若林
さんは「京都では末までに
建てられた寺社などの建造物
保存されているが、近代建
が次々とされている。 で
きるだけ長く保存していきた
い」と話している。 ホール利
用の申し込みなどはアートコ
ンプレックス1928 (07
5・2546520) へ。
オープン記念として3階の
「アートコンプレックス19
28」ではダンスパフォーマ
ンスが披露された=中京区で

1999.12.04

『中京の旧毎日新聞京都支局 才能集う文化スペースへ』京都新聞/1999年12月4日

「アートコンプレックス1928」
ドーム型天井、 250席
中京の旧毎日新聞京都支局
きょうオープン
演劇やコンサート開催
才龍う文化スペースへ
オープンする「アートコンプレックス1928」
(京都市
中京区三条通御幸町)
っている。京都支局の移転
で、九八年三月に京都の建
築家、若林広幸氏が買い取
「り「1928ビル」として
保存している。
オープンするのは、三、
四階のフリースペース「ア
|ートコンプレックス192
「8」。音響や電気設備など
のために改装、ドーム型天
|井の下に最大二百五十席を
収容できる。 演劇や音楽コ
ンサート、パーティなどを
一催す予定。
プロデュースする小原啓
渡さん(三)は「いろんなジ
ャンルの人が集える場所に
したい。才能あふれる若い
明治の建築家、武田五一発表の場がオープンする。 同ビルは、一九二八年に人や、トップクラスも呼び
が設計した京都市中京区三 ジャンル、世代、地域の枠 建築。鉄筋コンクリート四たい。分野の違うアーティ。
条通御幸町の旧毎日新聞社 を超え、新たな文化発信 階建てで、正面に星形バル ストが交流し、新たな文化
京都支局のビル内に四日の拠点にと期待されてい コニーがあるのが特徴で、が生まれれば」と期待を寄
舞台や芸術、音楽などをする。
京都市の登録文化財にもなせる。

1999.12.04

『京で「芸術の複合」発信』日経新聞/1999年12月4日

だ。
京都
にある昭和初期のレトロビ
ルを修復して、ダンスや舞台、コンサート
などを上演する新スポット「アートコンプ
レックス13288」が誕生する。 プロデュ
ーサーの小原啓渡さんは「異分野のアーテ
ィスト同士が越境して、芸術性と娯楽性
の融合を図るような実験場にしたい」と語
伝統文化を誇る古都・京都だが、
その中心部からサブカルチャーの胎動を伝
として活動が期待されそう
プロデューサー
小原 啓渡さん
こけら落とし公演は十一 のホールの幕開けを飾るにふ
十二日、ダンス集団コンさわしい。引き続き『劇団そ
ドルズによる 「2000 の一」や「劇団新屋」、河内
ヴァージン」
頭で踊るコンテンポラリー
「コンドルズはダンスにとダンスなどが控えている」
どまらず、芝居や映像 生演
など、異なるジャンルのバ
フォーマンスを複合させるエ
京で「芸術の複合」発信
こはら・けいと 60年、
兵庫県生まれ。同志社大
学部政治学科中退。舞台
作会社「リッジクリエイテ
ィブ」経営の傍ら、ミニコ
「ミ紙「PANプレス」も発
行している。
が、現者側が冒険できる
格好の成長期の劇団や
実験的なダンス公演などにふ
さわしい。周囲は繁華街だし、
観客もの論評議にふ
ける場所に事欠かない。新し
サブカルチャーを生み出す
好
入居するビルの設計は京
都市役所や京大時計台
どを手掛けた武田五一
「毎日新聞京都として
足されている。 地上四階
で、三、四がホール部
分。それ以外は飲食店、ギャ
ラリーが入居してい
家の若林広幸氏が、支局の移
転先ビルの設計を請け負った
このビルを買い取っ
た。せっかくいいホールがあ
るので、舞台制作の仕事を
けてきた私に話を持ちか
共同でホールの企画運営
会社を設立した。 若林氏とは
仕事を通じて面識があった」
ホール名は「芸術の複合
由来する。
「分野のアーティストが
越境して共同で何かを表現す
るという試みは、そろそろ実
を終えて次の段階に来
場所は三条通で京阪、阪
「京都の心にこの収容 ではほとんど使われな
面
のに、ここは半円状。
市営地下鉄いずれの のホールがあったのにはかった。プロセニアム・アー い実験ができそうだ」
最寄駅からも徒歩十分余裕がなく、客席から見た舞台の形状) 「ホールは二百二百五十
以内の街にある。 冷暖房設備もないということが、通常なら横長の四角にな席。このくらいの収容という
一九二八年に完成した。 当時
のハイカラな
ていると思う。 いろんな組み
して合わせを企画してみたい」
大阪・文化担当 岡松卓也
ンターテインメント集団。こ
、京都市の登録有形文化財

1999.12.02

『京都に多目的ホールオープン』大阪日日新聞/1999年12月2日

京都に多目的ホール
オープン
70年の歴史を持つアートコンプレッ
クス1928の外観
こけら落とし公演「コンド 振付師として世界的に知ら
「ルズ」のステージ
れる近藤良平が率いる男性
だけのダンサーカンパニー
で、舞台衣装は「学ラン」
という異色のグループ。 ダ
ンス、映像、生演奏、演劇
といった要素を駆使した舞
台が見もの。10日 (金) 午
10日からこけら落とし公演
3階の多目的ホール
京都三条御幸町に多目的 都支局)を建築家の若林広
ホール「アートコンプレッ
クス1928」がオープン
し、12月10日(金)からこ
けら落とし公演としてコン
ドルズの「2000年ヴァ
幸さんが買い取り、この3
階に、現代のニーズに対応
できる設備を加えたもの。
アール・デコ調の当時の姿
を残す場で1階がギャラリ
ジン」が上演される。 1、2階にレストランがあ
同ホールは昭和3年に建 る。
てられたビル(毎日新聞京
コンドルズはダンサー、
後7時半、11日(土) 午後
2時半、同7時半、1日
(日)午後2時半の4回上
演。前売り3000円、当
日3500円。
なお、12月は1日 (火)
から16日(木)まで「劇団
その1日本公演/鉄道警察
隊」、16日(土)10日
(日)に「劇団衛星/脳天
気番長椎茸を栽培する」、
2日(火)・2日(水)に
「山崎広太VS河内音頭~
河内音頭を踊る」などの公
演が順次行われる。 07
5・254・6520。 チケ
ットぴあ 06-6363
9999でも取り扱い。

1999.12.01

『アートコンプレックス1928オープン 公演情報』K-ITE LAND

25
アートコンプレックス1928
stage act schedule&topics
このページを愛用している読者であれば、演劇や舞踏の公演を観に行って「な
んでこんな場所でやんねん。」と地図を手に一生懸命会場を探した経験のある方
は多いだろう。 そんなファンに朗報である。 三条御幸町角、 元毎日新聞京都支局
の3階に眠っていたホールが、なんと今月、リニューアルオープンするというのである。
細分化がある程度進んだ状態にある現代芸術に対して、 次代の芸術 =コンプレ
ックス・アートを創出していく場という意味を込めたその名前からも気合いが感じ
られる通り、このホールは、積極的に文化的自主事業に取り組んでいくという。 今
後どんな芸術を輩出していくのかとても楽しみである。 また、繁華街近くという抜
群のロケーションに加え、建物自体が、 意匠史上、 京都市登録有形文化財に登録
されるほど注目に値する建築物である。 まめに足を運びたいところだ。
柿落としとなる12月10日からの
「コンドルズ」を皮切りに、元気印が
評判の京都の劇団を迎えた「演劇世代」
等の公演が、華々しくそのデビューを飾る。
アクセス 京阪 「三条駅」 徒歩5分
阪急「河原町駅」 徒歩10分
地下鉄「京都市役所前駅」 徒歩5分
TEL: 075-254-6520
京都市中京区三条通御幸町角1928ビル3F
ゴンドルズ 「2000年ヴァージン」
構成・映像・振り付け 近藤良平
日時
出演 石渕/大塚啓一/オクダサトシ/
勝山康晴/鎌倉道彦/小林顕作/
高橋裕行/ 橋爪利博/藤田善宏/
山本光二郎/近藤良平
12/10 (金) 19:00
12/11 (土)
14:00/19:00
12/12 (日)
14:00
料金 一般前¥3,000 一般当 ¥3,500
学生前 ¥2,500 学生当¥3,000
参加劇団その1 「鉄道警察隊」
歌って踊って展開する怒涛の劇空間を、あくまでもリリックに、かつ元気ハ
ツラツ明快に描いてしまう彼ら。 その瞬発力と爆発力には、 本当に頭が下がる。
今度の作品はちょっとしたSFアクションになる模様。 スピード感が加わって
さらに力強いステージになることだろう。
作・演出 藤堂直樹
出演 猪岐英人/柴田洋子/藤堂直樹/
岩川わかめ/野々内保/榛名あずみ
佐々木舞/西畠ゲンキ/曹一道/
渡辺ひろこ/嘉田比呂美/西浦紀香/他
日時 12/14(火) 15 (水)・16(木) 19:30
料金 前 ¥1,000 当 ¥1,300
劇団衛星 「脳天気番長椎茸を栽培する」
おまたせいたしました。 ファン待望の新作は、大人気・脳天気番長シリーズの第3弾。
番を張り続けて10数年、いい年こいた番長が、ことあるごとにそのお茶目ぶりを発揮し
てくれるのだが、注目の今回は、椎茸を栽培するという…。 番長の魅力を十分に堪能しよう。
作演出蓮行
出演 岡嶋秀昭/蓮行/真野絵里/チャック・O・ディーン
黒木陽子/奥田ワレタ/ 駒田大輔/他
日時 12/18 (土) 19 (日) 14:00/19:00
料金 一般前 ¥1,200 当 ¥1,500
学生前 ¥1,000
同時代のリアルを追求し続けるコンテンポラリーダンスの先鋭、山崎広太.
KOTA YAMAZAKI SoloDance.
山崎広太VS河内音頭 河内音頭と踊る一
振付・ダンス 山崎広太
河内音頭・唄 鉄砲広/三味線 豊茂隆 他
日時 12/21(火) 22 (水) 19:30
料金 前 ¥3,000 当 ¥3,500
会場 問合せは全てアートコンプレックス
KOTA YAMAZAKI SoloDance

1999.12.01

『京都に新たなアート・スペースが登場!』dance cafe/1999年12月

京都に新たなアート・スペースが登場!
「京都・アートコンプレックス1928で、
山崎広太が河内音頭を踊る」
京都に新しいホ
ールが登場する。「ア
ートコンプレックス
1928」は、京都の
華街に位置する三
条御幸町という絶好
のロケーションに加
え、これからの関西
におけるアート発信
地として大きな期待
がよせられているス
ベースである。
個性的な外観は、1928年(昭和3年)に大阪毎日
新聞社の京都支局として建てられたビルで京都市
登録有形文化財に登録されている。 武田五一氏の設
計によるもので、アールデコ調のデザインが随所に
感じられる。 古い建物を残す風潮と、一新していこう
とする風潮が両立している京都の中で、この御幸町
界隈は古くからの建物が比較的多く残っている場所。
アーティスティックなこのビルが、京都の新しい情報。
発信地となることは、パフォーミングアーツの世界に
とって期待の高まるところ。
ホールはビルの3、4階部分になる。旧くから講演
会や演劇公演etc. 市民に親しまれてきたスペースだ
が、いわゆる「プロセミアム型シアター」のようなつく
りにはなっていない。 200席の3階スペース、40席
の4階バルコニーがあり、5mの吹き抜けとなってい
ある。 何に使うか、舞台や客席をどう組むかは主催者の
自由。つまり創り手の想像によって、様々に変貌でき
るスペースなのだ。
「新しいアートを発信していく主旨ではありますが、
特定のジャンルのためだけのスペースにするつもり
はありません。ダンスや演劇、ヌーボーシルクetc.と
にかく、面白いと思えるアートならジャンルを越えて
どんどん減っていきたいですね。 ここのコンセプトは、
その名の通り“コンプレックス(複合) ” ですから」と、
プロデューサーの小原啓渡氏は語る。これから、 活
発に躍動している関西アートシーンに一石を投じて
くれる場所となるだろう。
こけら落とし公演としては、関西初登場のコンプレ
ックスなダンスカンパニー、コンドルズの公演を行う。
洗練された空間で河内音頭を踊る
コンテンポラリーの山崎広
そんなアートコンプレックス 1928で、 まさに「複合」
"という名にふさわしい公演
が予定されている。 12月
21日~22日の「山崎広太
vs 河内音頭 河内音頭
と踊るー」である。 コンテン
ポラリーダンスの先鋭として、
:国内にとどまらず海外でも
活躍している山崎広太。 そ
の彼が河内音頭と踊る。実
はその思いは、18年前にさ
かのぼる。
「河内音頭と出会ったのは23歳の時。 当時、レゲ、
工風にアレンジした河内音頭が流行っていたんです。
それを聞いていると、ある意味でのいい加減さ、アジ
アならではの許容量の広さを感じて。 それに明るい、
ドライ、乾いている感じもしっくりきたんですよ。 また、
僕は米所・新潟の生まれなんですが、 子どもの頃に
見できた田舎の風景・・・農耕的な腰を低くした動きに
ライブ感を見たんです」
山崎は河内音頭を使ったダンス作品を発表。 けれ
"Y"
河内音頭の踊りを本格的に学んだわけではない。
からインスパイアされた動き、身体から自然にわき
出る動きを重視した。
「紙屑かごに投げ入れられる、鮮やかなゴミ」という、
好評を得た。紙、ゴミ、という言葉は一見、酷評に思
えるが、それは亜流ではない、 自分のものを持ってい
る動きだという褒め言葉。山崎自身もその謎をとても
喜んだ。
その後、ダニエル・ラリューとの出会いetc.を経て、
彼の
人生はコンテンポラリーダンスへと躍進し
“ていくことになるが、心の中にはライフワークとして「河
「内音頭」が眠っていたのだという。
「新しいスペースでの企画公演ということで、もう
一度、河内音頭を踊ることになったけれど、 今回は昔
に比べて、もっと乾いた目でつきあえると思います。
僕も今までコンテンポラリーで築いてきた歴史があ
るし、河内音頭に対して客観的に、 距離感を持って接
することができるんじゃないかと。 自分と河内音頭の
間にある、 違い、共通性をある種冷たい目で感じ取
ることで、新たな動きを作れる関係にあると思います
アートコンプレックス1928は近代的でソフィス
ティケートされた空間。 河内音頭を、暗い場所や、祭
りで踊るのでなく、白い、洗練された空間で演るのが
面白いじゃないですか。 音は、あえて古典的な演奏
を選んでいます 」
頭に鉄砲光、三味線に豊茂といった“本物”の奏
者を迎え、古典的な河内音頭をライブで演奏。 その
中で、山崎がどう踊るのか。
「見た人に「河内音頭って、こんなに格好良かった
のか」って言わせたいですよ」
と、自信たっぷりに語ってくれた。
(by 竹内子)
●1999年12月21日 (火)22日(水)
19:30開場/20:00開演
■アートコンプレックス 1928
TEL.075-254-6520
●前売3000円 当日:3500円
●問い合わせ :
Groovism Company TEL. 075-361-4685
カッシュ TEL.03-3408-7656
アートコンプレックス 1928
こけら落とし公演/コンドルズ 「2000年ヴァージン」
1999年12月10日 (金) 19:30
11日 (土) 14:30 & 19:30
12日 (日) 14:30
問い合わせ アートコンプレックス 1928
TEL. 075-254-6520

1999.11.01

『”アートコンプレックス1928″ いよいよ始動!』P.A.N. PRESS/1999年11月

バンプレス
PERFORMING ARTS NETWORK
パフォーミングアーツの
コンテンポラリー通信
P.A.N. PRESS
1999.11.15
Vol.26
“アートコンプレックス 1928” いよいよ始動!
1999年12月京都三条御幸町にフリースペース
「アートコンプレックス 1928」がオープンします。
建築当時の1928ビル
1928ビルは、 昭和三年(1928年) 大阪毎日新
聞社京都支局として、武田五一氏の設計に
より建築され、現在では京都市登録有形文
化財に登録されている築70年を越す建物で
す。 京都の地に建ち、時間の堆積と共に独
特の文化的雰囲気を醸し出すこのビルの3
階ホールでは、旧くより演劇公演や講演会
等広く市民に利用されていました。
このスペースを、建築家若林広幸氏とプロ
デューサー小原啓渡 (PAN PRESS編集長)が
現代の多様なニーズに対応すべく新しい設
備を加え、 「アートコンプレックス1928」として再生させました。
ロケーション面においても、 京都の繁華街の中心に位置し、ビルの
地階にはカフェ、1階にはギャラリー、2階にはレストランが入りコ
ミュニティースペースとしても話題のスポットになっています。
■ART COMPLEX 1928 概要
面積 21m×10m=210m² (バックヤード約10m²含む)
客席数 250席の椅子をご用意できます。
した、満を持しての新作上演と
なります。 アートコンプレック
ス1928は、 従来相容れないもの
として認識されがちな芸術性と
エンタテイメント性、この両性
を兼ね備えたパフォーマンスの
発掘とプロデュースを目指して
います。 その第一弾として世に
問う、関西初登場の「コンドル
ズ」。ご期待下さい。
アートコンプレックス1928 プロデューサー 小原啓渡
アートコンプレックス1928 杮落し公演
直撃抱腹絶倒ダンスカンパニーコンドルズ 「2000年ヴァージン」
日時 12月10日 (金) 開場19:00 開演 19:30
12月11日 (土) 開場14:00 開演14:30
開場19:00 開演 19:30
12月12日 (日) 開場14:00 開演 14:30
バルコニー部分 3.6m×10m=36m² 5mの吹抜け
出演 石渕聡×大塚啓一×オクダサトシ×勝山康晴×
鎌倉道彦×小林顕作×高橋裕行×橋爪利博×藤田善宏×
山本光二郎×近藤良平
可動式ですので、必要に応じてご自由に設定
ご利用 演劇、ダンス、コンサート、ファッションショー、パーティ、
展覧会、講演会、 ミーティング、ワークショップなど幅広く
利用可能。
お申込
使用日の1年前より受付を開始します。
問合せ 付帯設備、料金など、詳しくは電話にてお問合せください。
TEL.075-254-6520
■アートコンプレックス1928は、名前
の通り、コンプレックスアート (複合
芸術/統合芸術) の発露と促進をテー
マの一つにかかげ、ジャンルやカテゴ
リーを越えたアートのプレゼンテーシ
ョンを目ざしています。
建築当時のホール内部
細分化の方向を突き進んできた芸術
は、 ある意味で行きつくところまで行
った感があり、細分化されればされる程、人々の生活から懸け離れ
た芸術文化になっていくという指摘もあります。
近年、 細分化に行きついたカテゴリーが逆に、 統合への方向を呈
し始めています。 演劇でもなければダンスでもない、 音楽コンサ
ートでもなく映像作品でもないといったスペクタクル、あるいは
アーティスティックなエンターテイメントとしての統合舞台芸術
が創作者のみならず観客の支持を得はじめています。
今回、杮落し公演として企画します 「コンドルズ」 は、 近藤良平
を中心に1996年に結成された男性のみのダンスカンパニーであり、
従来のダンスカンパニーには見られないコンプレックスなパフォ
ーマンスを繰り広げます。 芝居や映像や生演奏、 現代美術の要素
や指人形まで盛り込んだオキテ破りのステージで観客をガンガン
引き込んでいく「直撃型抱腹絶倒ダンスカンパニー」として、国内
はもとより海外からも注目を集めています。
さらに、今回の公演はコンドルズが実際に東京から京都まで足
を運び、ビルそのものが京都市登録有形文化財にも指定されてい
るアートコンプレックス1928を訪れ、 木組みの床を歩き、 白壁、 丸
天井、 バルコニー付きという独特の空間を身体で計った上で制作
舞台監督 南弘三 (アートファクトリー)
照明 本多美徳
音響 原嶋紘平
舞台美術 アート・ブラザーズ
宣伝美術 柳沼博雅
制作 アートコンプレックス 1928
制作協力 コンドル・スタッフサービス
後 援 若林広幸建築研究所
料金一般前売 ¥3,000 当日 ¥3,500
学生 前売 ¥2,500 当日 ¥3,000
チケット チケットぴあ 06-6363-9
アートコンプレックス 1928 075-254-6520
チケット発売 10月9日 (土)
問合せ アートコンプレックス 1928 075-254-6520
コンドルスタッフサービス 03-5272-0991
NKT.COM 1234

1999.09.25

『遷 20世紀の京都 大毎会館』毎日新聞/1999年9月25日

新支局ホール
20世紀の京都
第1部 大毎会館
新支局のホールは最上階の7階にあり、約100
一人収容。 大会議室や催し会場として利用される。床
扉壁などに木を使い、全体的に木調の〝軟らか
さ”を取り入れており、窓からは東山連峰が一望で
きる絶好のロケーションにある。
7年の歴史を刻んできた信基地としての役割を果た
今の京都支局には、社会にした。
術家も出入りし、支局応接っていた。
開かれた新聞社としての 戦前は学術講演会や展覧
伝統が息づいている。そ 会が多かった。1927(昭
一方、3階ホールは庶民
室には人間国宝の工芸家、
の象徴が、高いドーム形和2)年から1年間、支局 黒田辰秋(1904~82)の娯楽や集会場としても人
3階ホール
文化活動の発信基地
娯楽や
集会も 伝統、未来へ引き継ぐ
天井の3階ホール(40 長を務めた岩井武俊さん作の円卓が、今も現役で活気を博した。俳優の故・川
0人収容)だ。最近では「ふは、古美術や歴史に通じた躍している。斎藤清明・京谷拓三さんは若かりしこ
れ愛コンサート」の会場学者支局長”として知ら都支局編集委員は「京都大ろ、「のど自慢大会」に参
として府民に親しまれてれ、当時、岩井さんが始め 名誉教授の故・吉田光邦さ加して「カネひとつ」の経
きたホールは、かつて講演講演会で歴史に興味を持んも若いころホールで演劇験を持つ。昭和から平成に
会や集会、展覧会などでった学者が多かった、と言をしたのを懐かしがってい変わった10年前に京都支局
にぎわい、催し会場の少われる。
た」といい、支局は学者や員だった池田知隆・東京本
なかった時代には、情報発 展覧会を通して多くの文化人のサロンの一つとな社生活家庭部編集委員は
「当時はホールでよく日の
丸・君が代問題の集会を開
いた」と振り返る。
ドーム形大会議室が設けら
れている。京都の文化の発
展に寄与する京都支局の伝
さまざまな文化活動を見 統は、上京区河原町通丸太
つめてきた現支局から新 町上ルの新支局に場所を移
局への移転は26日に完了す して未来へ引き継がれてい
る。新支局の7階には、旧 く。
【今井竜】
ホールのイメージを残した
(第1部おわり)
オープンしたばかりの高いドーム形の3階ホール
=1928(昭和3)年10月

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