小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.11.23

愛ー4

「あ」、「愛ー4」で。

今日から8周目、「愛」に関する考察は4回目です。

「2000万人が涙した携帯小説最高のラブストーリー」というキャッチ、この映画は何だかお分かりでしょうか?
正解は「恋空」です。

好奇心で見てみましたが、正直言って何だか空恐ろしい気分になりました。

基本的にこの小説?を支持してるのは、中学生・高校生くらいだとは思いますし、思春期の少女に特有な一時期的な乙女趣味ならさほど心配することもないと思うのですが、こういった小説を恋愛の基準に今後生きていくとしたら、かなりヤバいなと感じ入った次第です。

若い世代の読書離れが云々される時代において、携帯で読める手軽さはいいとしても、もう少し内容の濃い小説を、思春期だからこそ読んでほしいと思うのは老婆心でしょうか。

少し前に流行った「セカチュウ」(世界の中心で愛を叫ぶ)にも通じますが、この短絡的な「純愛路線」が社会現象にまでなるというのは、よほど社会が荒廃しているか、一般人の思考能力が低下してるとしか思えません。

おそらくは、家にいる時間のほとんどをくだらないテレビ番組を眺めることに費やし(子供だけでなく親も)、物事を深く掘り下げて考えようとする姿勢も習慣も、気持もなくなってきているのではないかと危惧せざるを得ません。

薄っぺらな「愛」の概念は、薄っぺらな人間をつくり、薄っぺらな社会をつくり出してしまうと僕は思います。

小原啓渡

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