小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.10.07

劣等感

「れ」、「劣等感」で。

僕も人並みに、いやひょっとすると人並み以上に「劣等感」に苛まれてきたと思います。
特に思春期、少なくとも20代の前半まではきつかった。

「劣等感」から少しづづ解放され始めたきっかけは、大学も中退し、何もかも捨てて向かったインドへの旅でした。
ある意味で社会からの「ドロップアウト」、競争することから降りる経験を自ら選んで実行したことが大きかったように思います。

もちろん、ポイントは「自ら選択して」という部分で、「ドロップアウト」を無条件に肯定するつもりはありませんが、捨てることで、はっきりとその実態が見えてくるという事は確かにあると思います。

「劣等感」に関して言うなら、「劣等感」を捨てる(これは難しい)というより、競争する価値観を捨てるということなのでしょう。

たしか「競争」というタイトルで以前ブログに書いたと思いますが、重要なのは何と競争するかということで、競争自体を全面的に否定するものでもありません。

良くも悪くも自分に馴染んだ価値観や属性を捨てることには、大きな勇気、もしくは機会が必要だと思いますが、思い切って捨ててみると案外「なぁんだ、この程度のものだったんだ」と感じるものも多いいような気がします。

捨てて取り戻せないもの、それは「時間」と「命」だけ、これが僕の考えです。

小原啓渡

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