小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.09.28

眼鏡

「め」、「眼鏡」で。

安価なコンタクトレンズが登場した当初は、みんなこぞってコンタクトに移行し、「眼鏡」をかける人が激減するという現象が起こりましたが、最近ではおしゃれアイテムの一つとしても眼鏡をかける人が増えてきているように思います。

子供のころ、僕はやたら目が良くて、逆に「眼鏡」に憧れました。
その影響があってか今でも眼鏡をかけた人、特に牛乳瓶の底のような眼鏡をかけている女性が好きで、なぜか愛しい気持ちになってしまいます。
(今ではレンズの精度が上がり、分厚いレンズなんてほとんど無くなってしまいましたが・・・)

もうかなり前に亡くなってしまった母方の祖母が、まさにそういう丸眼鏡をかけていて、とてもかわいい人でした。

祖母が子供のころは「眼鏡」はとても高価で、貧しい家の子供が買ってもらえるような物ではなかったようです。

大人になって初めて「眼鏡」をかけた時、「世の中はこんな風だったんだ!」と腰を抜かすほど驚いたと言っていました。
その時まで、祖母にとっての世界はぼやけていて、そんなもんだと疑うことさえしなかったようです。(現代と違ってそれほど情報が少なかったのでしょう・・・)

確かに、自分が見ている世界が全てだと考えるのが一般的かもしれませんが、実は微妙に違っているのかもしれないし、本質的な捉え方をすると、視点や興味や先入観の違いによって実際世界は人それぞれ違ったものに見えているのかもしれません。

小原啓渡

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