小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.04.14

愚直

「く」、「く」のつくことばが思い浮かばないので今日は「ぐ」、「愚直」で。

「愚直」を、プラスの意味で使う場合は「正直」とか「誠実」ということになるのでしょうが、マイナスの意味では「愚か」とか「頑固」というふうになりますね。
ただ、両方の見方を一つにすると、「愚かなほど正直」となるので、結局のところ「正直」が強調されて、「美徳」ということになるのでしょうか?

それでは、「美徳」と捉えた場合、、反意語は何なのか?
さしあたり、「嘘つき」「いいかげん」「飽き性」とかが入り混じった感じで、ピタリとヒットすることばが見当たりません。

ということは、一応「美徳」の領域に入ってはいるけれど、揶揄的に用いる場合もあるので、やはり「悪徳」にも「美徳」にもなるという部類の言葉だということになります。

こういう書き方をすると、何だかこねくり回している感じがしますが、まさに自分の経験においても、この言葉はこねくり回されてきた経緯があります。

10代後半から20代前半の頃、僕は自分が持ち合わせた性格の一つ「飽き性」という側面に悩んでいました。

好奇心が強く、何にでも興味を持つのですが、その分飽きるのが早く、何か一つのことを「愚直」に続けることができない。

「こんなことでは、何一つこだわりを持って取り組めるものを見つけられないのではないか」そんな不安を抱えていました。

その反面、「色々なことをやってみなければ、本当に自分が見つけたいものにも出会えない」という思いもあって、「愚直」に対する憧れと懐疑のはざまで行ったり来たりの状態でした。

そんな僕が、自分の性格を否定することなく、思いを吹っ切る事ができたのは、
「僕は、こだわらない事にトコトンこだわってみよう」
「こだわらないという事に愚直でいよう」と心に決めた時でした。

これって、今から考えるとある意味「詭弁」ですね。

しかし、自分の気質に悩んでいた当時の僕にとっては、
確かな「救い」になりました。

そして、こだわらない事にこだわり続けて四半世紀、
いつの間にか、「生き方」に関してだけは、決して人に引けをとらない「こだわり」と「愚直さ」を持った自分になれたように思います。

もし若い方で、現在同じような悩みを持たれてる方がいれば、僕のアドバイスは一つです。

「他の何にでもない、自分自身に愚直でいて下さい」

小原啓渡

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