小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.12.27

パンドラ

「は」、「パンドラ」で。

「パンドラ」とは、ギリシア神話に登場する女性で、神々によって作られた人類の災いとして地上に送り込まれた、一説によると人類最初の女性とされる。(Wiki)

「禍いをもたらすために触れてはいけないもの」の慣用句として使う「パンドラの箱」は、彼女が忠告されていたにもかかわらず開けてしまい、そこから飛び出した災い(疫病、悲嘆、欠乏、犯罪など)を見て、慌ててその箱を閉めたが、一つを除いて全て飛び去った後だったという神話から来ていて、最後に残ったものは希望とも絶望とも、未来を全て分かってしまう災い(予兆)ともいわれています。

以前、「パンドラ」という題名のTVドラマを見たことがあります。
これは「がんの特効薬」を「パンドラの箱」に見立てた社会ドラマでした。

人類が切望する「がんの特効薬」が発明されれば、成人の三分の一がこれで命を落とすといわれている「がん」を撲滅できる、しかし同時にそのことによって平均寿命が急激に伸びて、年金制度などの社会システムが崩壊、食料や資源の問題にも及び、種自体の存続を脅かす危険性を孕んでいるといった内容でした。

これに関しては、ペニシリンの発明などが過去にもあったわけですから、僕としては説得力の弱い設定に思えましたが、「パンドラの箱」について考える良い機会ではありました。

結局この神話で言いたいことは、最後に残ったもの、「絶望」「希望」「予兆」という色々な説はあっても、「絶望が外に出なかった」「希望が中に残った」「未来がわからない」ということで、つまり「人類に最も大切な最後の砦は、希望を持ち続けること」ということではないかと思います。

単純にこう言い切ってもいいような気はしますが、そこは神話です、言い切らないところが深いのです。

小原啓渡

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