小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.11.04

発想

「は」、「発想」で。

「発想(アイディア)」というと、「ひらめき」とか「思いつき」とか「直観」という言葉が思い浮かんできます。

基本的にはどれも同じ意味だと思いますが、敢えて違いを見つけるなら、「ひらめき」と「思いつき」「直観」は一瞬のもので、「発想(アイディア)」というのは、思考する時間が含まれたものだと言えるかもしれません。

「アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせである」とはよく言われることですが、僕はこの「新しい組み合わせ」を発見した時点が「ひらめき」であり、その新しい組み合わせに付加価値をつけたものが「発想(アイディア)」ではないかと思っています。

「ピンときた」という表現はつまり「直観」で、何かに興味や問題意識を持続的に持っていれば、誰にでも訪れるものだと思いますが、「ピンときた」だけでは不十分で、その「直観」や「ひらめき」にとことんこだわらなければ「アイディア」は生まれてこないと思います。

せっかく訪れた「直観」や「ひらめき」を、軽く扱って流してしまう人が多いような気がします。

一見、何の価値もなさそうに思える「ひらめき」も、じっくりと分析し、付加価値をつけ、少し変形させて、適応させる対象を厳選すれば「目から鱗が落ちる」ような「発想」に生まれ変わることはあるものです。

「点」から「線」に、そして「面」から「立体」にまで考え抜いた時、その「アイディア」は命を宿して動き出すのだと思っています。

小原啓渡

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