小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.08.22

会社

「か」、「会社」で。

「会社」とは、商法の観点からいうと「利益を追求する法人である」ということになりますが、最近取りざたされるようになった「CSR」(企業の社会的責任)の観点からすると、それだけでは「片手落ち」ということになります。

僕も一経営者として、「本質的に会社とは何なのか」を考え続けています。

法的には、あくまで経済活動を行っていく上での一つの形態、およびシステムですが、社会的には「理念」を追求し、どう社会に貢献できるかが重要な存在意義であると思います。

ただ、社会貢献を目的とした「理念」を追求さえすれば、それで会社が繁栄し、サスティナビリティー(継続性)を維持できるかと言えば、それだけでは足りないというのが現実でしょう。

本来、「ありがとう」の形を変えたものが「お金」であるという考え方が正当だと思いますが、経済、経営、特に金融の世界でその概念が通用するかというと疑問です。

やはり会社は、「理念」と「利益」を両輪に、正当に営まれるべきものなのでしょう。

ちなみに、「アートコンプレックスグループ」の会社理念は、「アートを通じて、新しい価値観を創造すること」にあり、設立以来10年が経過していますが、残念ながら「利益」という片輪が弱いという課題を抱え続けています。

「この業界では、ある意味、仕方ない」と言って逃げるのは簡単ですが、活動を継続していくためにも、何とか両輪がバランスよく機能するよう尽力しなければならないと思っています。

小原啓渡

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