小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.05.05

不満

「ふ」、「不満」で。

今一番「不満」に思っていることって何だろうと考えました。

よくよく考えてみると、何かにつけ「不満」を持ってしまう自分に、最も「不満」を感じていることが分かりました。

京都、竜安寺の手水鉢(ちょうずばち)に「吾唯知足」(吾は唯、足るを知る)
という禅の言葉が刻まれています。

外国から来たゲストの京都案内には、必ず竜安寺をそのコースに入れ、
この手水鉢の前で禅に関する説明をするようにしているので、自分にはかなり馴染みの深いことばです。

とても好きな言葉ですし、人間にとって重要な意味があることも理解していますが、理解しているからといって自分がそうであるかどうかは残念ながら別の話です。

「不満」があるから、「成長」がある、ということもあると思うので、「知足」とは、主に即物的なものに対する欲望に対してのことではないかと思います。

精神的に未熟な自分に満足していては「成長」はありません。

「禅」においては、相反する要素を併せ持つ真理(例えば陰陽など)が多いことを考えると、言葉どおり単純に解釈するのは片手落ちの危険性があると思います。

単に「満足しないこと」を否定しているのでなく、
禅問答的に言うなら、「不満を持ちながら、満足しなさい」というようなニュアンスもあるでしょうし、

本質的には、「不満」に振り回されるのではなく「不満」をコントロールすることの大切さを説いているのかもしれません。

小原啓渡

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