小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.01.02

「た」ですね。
「魂の変遷」に関して。

先日、クリスマスプレゼントに、ヘルマン・ヘッセの「シッダールタ」という本をもらいました。
送ってくれた友人は、れっきとした大学教授なのですが、僕のことを何の臆面もなく、どこでも誰の前でも「お兄ちゃん!」と呼ぶ、かなりユニークな女性です。(あまりに、自然に妹が兄を呼ぶような感じなので、説明しなければみんな本当の兄妹と思うらしい・・,そう言えば、この前は、髪の毛1本を送ると健康状態がすべてわかるという変な研究所の資料を送ってくれました!?)

余談はさておき、この本、クリスマスから読み始めて、大晦日に読み終えましたが、とても感慨深い内容でした。

シッダールタとは、出家をする前のブッダの実名ですが、この物語の主人公はヘッセが捉えたブッダであって、史実に基づいたブッダの話ではありません。
それでも、歴史の中で学ぶ超人的なブッダより、ずっと人間臭く、リアリティーがあり、読み進むうちにすっかり物語に引き込まれていきました。

主人公が、出家して苦行僧となるも、その後、世俗にまみれ、もう一度悟りへと帰依してく「魂の変遷」には、ヘッセの深い考察を感じさせる説得力がありました。

ヘッセの著書は、中高時代に「車輪の下」と「知と愛」を読んでますが、もう一度読み返してみたいと思いました。

クリスマスにブッダに関する本を読んだからという訳ではありませんが、基本的に宗教が示そうとするのは、言葉の使い方は違っていても、本質的な精神性である「魂」における「愛」の意味なのかもしれません。

小原啓渡

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