小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2007.02.18

歌舞伎

歌舞伎には、かなり思い入れがありますね。

「歌と舞いと芝居」というのが語源らしいですが、「けれん」と呼ばれる宙乗り等、アクロバット的な要素や下座音楽等々、歌舞伎は日本が世界に誇れる複合芸術(コンプレックスアート)だと思っています。

「アートコンプレックス1928」は、この歌舞伎にちなんで、新しいコンプレックスアートを発信したいという願いから命名しました。

僕が京都の南座で初めて見た演目は、今はなき五代目中村歌右衛門が玉手御前を演じた「摂州合邦辻」でした。
なぜ泣けてくるのかもわからないまま、ぼろぼろと泣いていました。
初めて経験する深い感動でした。

それからというもの、毎日でも観たいのですが、チケットが高額で手に負えません。
それではと、ツテをたどって松竹に入り込み、照明係になって、歌舞伎三昧の日々を数年送りました。

そして、ついには鳥屋口の揚げ幕をやらせてもらえるようになりました。鳥屋口(トヤグチ)の揚げ幕というのは、役者が花道から出入りする際に、幕を開け閉めする係を言います。

役者さんと直接打ち合せをして、きっかけを決める、僕のような歌舞伎好きにはとても魅力的な仕事です。
今はこの部署を会社で請け負って、南座、松竹座ともにうちの若手がやっています。

「幕見」といって、個別の演目だけを低料金で観れるシステムもあるので、皆さんにもっと歌舞伎を見て欲しいと思っています。

ちなみに、僕が歌舞伎で断然好きなシーンが
「だんまり」です。

「だんまり」って何? 
是非ご自分で調べてみて下さい。

小原啓渡

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