小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2006.09.21

三条あかり景色

アートコンプレックス1928が面する京都の三条通で毎年この時期、映像を街に散りばめるプロジェクトをやっています。今年で3度目。一昨日、無事終了しました。

行政や企業等から依頼された訳でなく、3年前に有志7人で勝手に立ち上げた企画です。メンバーは今や50名を超え、ボランティアで参加してくれる方々も今年はのべ300名を超えました。
このプロジェクトはほぼ全て、参加者の好意で成り立っています。

ビルや商店の壁面に映像を照射するためのプロジェクター(今年は65台)も個人や大学、企業から無料でお借りし、作品は公募を中心にして、プロの作家からも無料で提供頂いたものです。

電源は地域の商店などの壁コンセントからとらせて頂いており、ノウハウや労力も含めて必要なものがほとんど全て持ち寄りなので、現金がほとんど動かない、そういった意味でも珍しいイベントです。
「民間発案型PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」というのを実践してみたくて試みた企画ではありますが、奇跡的に継続、成長してます。

今年は台風の影響で2日目が中止状態になりましたが、それでも2日間で15万人の方々に見て頂くことが出来ました。(交通量調査や商店の売上調査、来場者アンケートも大学ゼミのボランティアです)

最終日の片付けが終わったのは深夜の2時頃でしたが、多くの方々が残って作業をしてくれました。
僕が学生の頃(もう四半世紀前?)、ボランティアなどというと、偽善者扱いだったように記憶しています。
時代と価値観の大きな変化を実感します。

利害を超えた人と人のつながりを感じたい、社会に対して何か意味のある活動をしたい、そういった思いが大きなうねりを生み出しているのでしょうか。

小原啓渡

(このプロジェクトは朝日新聞と京都新聞、両紙一面にカラーで掲載されました)

http://www.asahi.com/life/update/0917/002.html

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006091600135&genre=K1&area=K1C

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