小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.10.04

ライブ

「ら」、「ライブ」で。

現在、「ライブエンターテイメント」の活性化を目的としたNPOを経済産業局と協働で立ち上げる準備をしています。
この「ライブ」という感覚に関して少し。

エンターテイメントに関して「ライブ」とは何かを考える時、「ライブでないもの」を引き合いに出すと説明しやすいと思います。

たとえば映画(映像)は五感を基準に考えると何が欠けているか。
視覚と聴覚以外の臭覚、味覚、触覚は基本的に制限されてしまいます。

最近では、映像が揺れるシーンでは座っている椅子が振動したり、風が起こるシーンでは足もとから風が吹き上がってくる等の仕掛けを用いたイベントが開催されていますし、臭覚に関しても色々な匂いを作り出せる機械が開発されているようですが、実際のところはまだまだ実用化に時間がかかりそうです。

一般的に演劇やダンスなど舞台で演じられるパフォーマンスは「ライブ」であると認識されています。
しかしそれは「演じる側と観る側が、同じ空間と時間を共有している」という意味であって、例えば海辺のシーン自体が「ライブ」であるかというとそうではないですね。

つまり「ライブ」と「現実(リアリティー)」は意味合いとして微妙に違うということになります。

ただ、「リアリティーとは何か」という論題になると、かなり哲学的な領域に踏み込まざるを得なくなるので、ここでは言及を避けますが、より「リアリティー」に近い「ライブ」を目指す方向性があってもいいのではないかと常々思っています。(もちろん、想像力を刺激する方向性も重要です)

たとえば、舞台で煙を発生させるスモークマシーンというのが一般化していますが、ラーメン屋さんのシーンならラーメンのにおいが、海辺のシーンなら潮の香りがボタン一つで出せるような「スメルマシーン」を開発すれば、結構面白いんじゃないかと思うのですが、如何でしょうか?

小原啓渡

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