小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.09.07

握り飯

「に」、「握り飯」

目の前に握り飯が山積みになっています。

この週末、名村造船所跡地(C.C.O)でのアートイベント「バクト大阪」に集まってくれたボランティアスタッフ用の夜食です。
この「握り飯」を握ったのもボランティアの人たち。

炊きたてのご飯を炊飯機からボールに移し、ふりかけをまぶして、ここからが僕の知らない方法で・・・、俄かに感心してしまいました。

ハンカチの大きさくらいにサランラップを切って、その上にご飯を乗せ、サランラップを包みながらおにぎりを三角に握っていく。
この方法だと素手で握らないので清潔だし、そのまま置いておけるから一石二鳥です。

「握り飯」を食って戦に出た武士の話をよく聞くからでしょうか、握り飯の山積みを見るとなんだか白熱した戦いの雰囲気を感じます。

確かにこの二日間(仕込みも含めると三日間)スタッフはほとんど寝ていない状態で、ボランティアの人たちもほぼ同じ。

今回も30人近いボランティアさんがお手伝いに来てくれましたが、本当にすごいというか、不思議な感じさえするのです。

まさに戦場のごとく「握り飯」を頬張りながら、黙々と作業を手伝ってくれるボランティアの人たち、手を抜いても、やらなくても、投げ出しても、誰も怒らないし、義務もない。
それなのに、笑顔で動いてくれる。

ニートだとか、フリーターだとか色々揶揄されることの多い若い世代も、自分の興味にヒットする仕事なら、自ら進んで汗を流す。
僕の価値観は彼らに近い。
実際のところ、もし彼らが集まってくれなかったら、今回のイベントも成立しなかったでしょう。

あと数時間、おかげさまで、無事に、予想以上の動員と最高レベルの盛り上がりを持って、「バクト大阪」を終了出来そうです。

このイベントのプロデューサーとして、一人の人間として、限界まで頑張ってくれたスタッフ、ボランティアの方々に心から感謝しています。

小原啓渡

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