小原啓渡執筆集「諸行無常日記」
2008.09.03
ツァラトゥストラ
「つ」、「ツァラトゥストラ」で。
「ツァラテゥストラはかく語りき」は、ニーチェの代表的な著作です。
以前このブログでニーチェに関して書こうとしていますが、挫折しています。
(今回も尻切れトンボになる可能性は大です)
結局のところ、僕のとってニーチェは、解明し切れない宇宙のような存在ですから、ニーチェの研究をされている学者のように論じること自体おこがましいというか、単純に一ファンなのだと思います。(信奉者というほども理解できていないでしょう)
ニーチェが24歳にしてバーゼル大学の教授になった事実や、晩年の発狂を見るだけでもやはり天才だったのだろうとは思いますが、ファンとして最も憧れる部分というのは、「神は死んだ」(この神はキリスト教社会における真理や道徳だと思いますが・・)という有名な言葉に象徴される、強烈な「破壊者」の一面です。(その裏返しとしての偉大なる創造者の一面も含めて・・・)
彼の人生を通して繰り返される思想的、哲学的「破壊」と「創造」、この「ニヒリズム」にも通じる破壊的エネルギーと歴史的創造の爆発的な激しさが僕を惹きつけて離さない。
そしてこの無垢な生き方自体(ニーチェ自身)が「超人」であると僕は考えていて、この破壊と創造の永遠の繰り返しこそがまさに「永劫回帰」であると解釈しています。
(こんなに簡単に「超人思想」と「永劫回帰」を言いきってしまうと、学者の方々はお怒りになると思いますが、単に一ファンの見解だと思っていただけると有難い)
「ツァラトゥストラはかく語りき」は、彼の著作の中でも最も読み返した回数が多い作品です。
通して読んだのは一度だけで、後は断片的ですが、(元来、ストーリー重視の物語というより断章的な文体であるため、どのページを開いてもすぐに彼の思想の中に入っていける気がします)それ以前の「悲劇の誕生」や「悦ばしき知識」などからの思索の流れが読みとれ、この後に続く「善悪の彼岸」や「この人を見よ」、「権力への意思」{妹が編纂)へつながる思想の種が随所にばら撒かれているという意味において、最も重要な作品だと思います。
(尻切れとんぼを避けようとして、思いっきり言い切ってしまいました)
小原啓渡