小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.05.26

演劇

「え」、「演劇」で。

「演劇」となると、やはり「シェークスピア」のことを書かないと、本質的な話にはならないような気がします。

僕は権威主義者でも、保守的な人間でもなく、それどころかかなり前衛的な方だと自分では思っていますが、「シェークスピア」に関しては、古いも新しいもない、というのが正直な気持ちです。

彼が書き遺した作品は、既に400年ほどの年月を経ていますが、「本物」と言われるものが押し並べてそうであるように、「古さ」というものを全く感じさせません。

理由はやはり、「普遍的な本質」を捉えているからだと思います。

時代や国や民族など、あらゆる違いを超越した「普遍性」において、シェークスピアの作品にあるのは、悲劇であれ喜劇であれ、「人間の本質」なのだろうと思います。

人間なら誰しもが抱く「感情」、そして、その感情によって動く「行動」。

付随するあらゆる要素をそぎ落とした「人間の本質」を見事に抽出し、作品に注入した、まさに「天才」であったと思います。

だからこそ、何百年も前の時代に生きた登場人物に、現代の観客がなんの抵抗もなく「感情移入」し、芝居の世界に入っていけるのだと思います。

「演劇」というタイトルなのに、「シェークスピア」のことばかりになってしまいました。
それなら、「し」の時に書けよ、と思われた方、
もっともだと思います。

「招かれないのに来た客は、帰る時にいちばん歓迎される」
(ヘンリー六世より)

小原啓渡

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