小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.05.16

寄り道

「よ」、「寄り道」で。

今日、沢木耕太郎さんの講演会に行ってきました。
(とても素敵な方で、全体的に話も面白かった)

自分の体験に基づいた2時間ほどのお話の中で、
「寄り道が人生の幹を太くする」ということを何度もおっしゃっていました。

ただ真っすぐに突き進むのが能ではなく、状況によって「寄り道」つまり、その時は無駄に思えるようなことをすることも、結果的に自分の人生を深く、豊かにするのだ、というような意味だと思いましたが、少し気になったのが、「目的地」の話がなかったことでした。

「寄り道」、あるいは「道に迷う」という限りは、「目的地」がないと「ただの「散策」「ブラブラ」あるいは、「ストレイシープ」だと思ったわけです。

「ブラブラすること」がダメだとは思いませんし、「道に迷う」こともある意味必要だと思います。
ただ、どこかを目指していて、そのプロセスで「迷う」「寄り道をする」のはいいとして、
目的地をどこに、何に定めるかを「迷う」人が多いという現実が問題なのではないかと思いました。

出来れば、その「目的地」の定め方に言及して欲しかったなと思った次第です。

僕は舞台や映画を見たり、こうした講演会を聞いても、
「僕なら、こう演出するのにな?」とか、
「僕なら、こうしゃべるのにな?」とすぐに考えてしまいます。

だから、このブログも批評的なことを書き始めると、どうしても辛辣になるので「あ」から順番に・・というようなベタなものにしています。

といいながら、今日は批評的な文章になってしまいましたが、まあ、流れとして、たまにはいいですよね。

小原啓渡

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