小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.04.30

ぬるい

東京からの帰り、新幹線の中です。
すべての窓際席の足もとに電源があり、いつの間にか喫煙ルームなるものも出来ていました。
今日は「ぬ」、名詞でピンとくるものがないので、形容詞「ぬるい」で。

今回の出張は、ある上場企業の会長にお会いするのが主な目的でした。
別荘に来ないかと誘われて、こんな機会はめったにないと、他の予定を変更してお言葉に甘えました。

丸一日、色々お話を伺った会長の言葉は、どれもこれもズバリ核心、本質を突いていて怖いくらいでした。
半分は自分でも気づいていながら、確信が持てず、進んで改善することをしていなかった考え方や行動の「ぬるさ」をキッパリと指摘されました。

正直、日頃は人に対して「ぬるさ」を感じることの方が多いのですが、今回は全く逆でした。
ある程度の歳になると、自分の問題点に対してアドバイスをしてくれる人が、どうしても少なくなってくるだけに、
自分の「ぬるさ」を知らしめてくれる人というのは有り難く、貴重だなとつくづく感じた次第です。

僕が実際に会って憧れを感じた人は、今まで、ほとんど外国人だったのですが、今回お会いした会長にはすっかり心を奪われてしまいました。

エネルギーの「入れどころと、抜きどころ」の絶妙なバランス、細かい心遣いと豪胆な哲学・・・、
こういう方が日本におられるという事実だけで、自分も日本人として頑張っていけそうな気がします。

小原啓渡

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