小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.01.18

ミサンガ

「み」、「ミサンガ」の思い出を少し。

「ミサンガ」には、着ける時に願い事をすれば、紐が自然に切れた時、その願いがかなうというジンクスがある。

僕の右手首にも黒いミサンガ着いています。
ただ、着けた時にいったい何を願ったのか、全く憶えていない。

2年前、仕事でロスに行った夏、せっかくだからと、レンタカーを借りて、カリフォルニアの海岸線を走りました。

車はシボレーのオープンカー、まさに「カリフォルニアの風」を切り、FMからは、まさに、まさに「ホテル カリフォルニア」系のナンバーが流れてきます。
日本でも有名な「サンタモニカ」から南へ、ベニスビーチの露店でこのミサンガを買いました。

砂浜に古布を敷いただけの、いかにも売れてなさそうな露店。
ヒッピー風のおねえさんに何となく親しみを感じて、立ち止まると、光溢れるカリフォルニアだというのに並べているミサンガがすべて「黒」

「何で黒だけなの?」と聞くと、
「黒が好きだから」と答える。

とにかく一つ買って、着けてもらって、5ドルを払う。

「私、ラッキーだよ」と言うので、
「何で?」
「今日、初めてのお客だから」と答える。

「もうこれで、今日は店じまい!」
「はぁっ?!」

もう、陽は傾き始めているのに・・・今日の売上5ドル?

それから彼女に食事をおごって、ドライブして、家まで送っていった。

ミサンガは2年以上経つのに、まだ切れていない。
切れたとき、実現していること、
きっとそれが、
あの時、僕が願ったことなのだ。

小原啓渡

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