祝・パンプレス50号達成

 パンプレスは、1995年7月の創刊準備号から丸9年、今号で50号目を迎える事ができました。
 現在は公演情報を提供して頂いている劇場からのサポートなどで、印刷費だけは賄えるようになっていますが、最初の数年、経費は全て持ち出しでした。多く のフリーペーパーがそうであるように、経済的な理由からパンプレスも今までに何度も廃刊の危機に直面して来ましたが、その度に経費節減の工夫や、資金調達 の試みで何とかここまで続ける事が出来ました。それも読者の皆さんの応援、サポートして頂いている劇場、ボランティアで寄稿して頂いているライターの方 々、編集や配付を手伝ってくれているスタッフのお陰と、心から感謝致しております。
 中でも、パフォーミング・ア−ツ・ネットワーク事務局長の土肥真司さんには特に感謝の意がたえません。土肥さんは黒谷永運院の若き住職で、舞台芸術を生 業にされている方ではありません。にも関わらず、純粋に芸術の振興が大切であると、資金的な部分も含めてサポートし続けて頂いております。また、自らのお 寺を進んでアーティストに開放され、今までに多くのパフォーマンスがお庭で、あるいは本堂で上演されてきました。
 京都で文化芸術がもっとも栄えたと言われる元禄時代、アーティストを支えたのは、パトロンと称される旦那衆だったと言われていますが、現在、個人的に文 化芸術をサポートしようという方は極めて稀だと言わざるを得ません。文化芸術の振興は行政の仕事、あるいは企業メセナの範囲であると認識されている方々が 多いように思えます。しかし元来、文化とは市民一人一人の豊かさを求める思いと、それを実現しようとする活動によって花開いていくものだと思います。そう いった意味でも、改めて土肥さんに感謝の意を表したいと思います。
 また、50号を記念してという事でもありませんが、巻頭で続けてまいりました「創造とは何か」をテーマにしたアーティストインタビューを一冊の本にまと めて出版する事が決まりました。(論創社より6月出版予定)
 「継続は力なり」という言葉がありますが、50号に合せるようにタイミング良く出版社からお話を頂き、スタッフ一同、非常に報われる気持ちがしておりま す。パンプレスを業界内だけの読み物にしたくないという理由で、カフェ等に配付して来ましたが、やはりこの本に関してもアーティスト向けの本というより は、年令も職業も超えた広い層の方々に読んでいただければと願っております。
 「金がなければ、頭を使え!工夫しろ!」この言葉を座右に置いて、これからもパンプレスを地道に続けてゆきたいと思っております。次は大きく100号を 目指します!


P.A.N.通信 Vol.50に掲載

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